「小倉焼うどん」75年の味復活へ 「食文化を継承」市民団体が奮起

 北九州市の庶民の味、焼きうどん発祥の店として知られる「だるま堂」(同市小倉北区)の閉店から半年余り。焼きうどんで町おこしに取り組む市民団体「小倉焼うどん研究所」(同区)が7月中の営業再開へ準備を進めている。コロナ禍による遅れもあったが、竹中康二所長(52)は「北九州の食文化を継承していく」と意気込んでいる。

 だるま堂は同区魚町の「鳥町食道街」に1945年創業。戦後の食糧難の時代、初代の故弁野勇次郎さんが入手しやすかった干しうどんを代用したのが、焼きうどんの始まりとされる。昨年12月、2代目店主で弁野さんの親戚に当たる坂田チヨノさんが82歳で亡くなり、店は閉まっていた。

 「店は研究所に任せようと思っている」。坂田さんの葬儀当日、竹中所長は親族から声を掛けられた。研究所のメンバーは定期的に店を訪れていたほか、焼きうどんPRのため、全国のイベントに出店していた。伝統の味の継承を決意し、4月から店を賃借。大型連休前の開店を目指したが、新型コロナウイルスの感染拡大で、今月に入ってようやく改装工事に着手できた。

 再開後は、坂田さんが使っていた1階のカウンターと調理場に加え、2階にもテーブル席を設ける。「多くの市民を巻き込みたい」と、カウンターなどの製作や内装は地元の西日本工業大の学生に依頼した。

 各階約10平方メートルと決して広くない店内だが、築80年近いこともあり、改装費は500万円以上。金融機関の融資を見込んでいたが、新型コロナ関連の融資が増えた影響で、審査がいつ通るか見通せない。少しでも費用を圧縮しようと、メンバー自らが仕事の合間を縫って、古い機材の撤去や床をはがす作業などに取り組んでいる。竹中所長は「新型コロナの影響で全国の老舗が閉店に追い込まれるケースも出てきた。使命感を持って店を再開したい」と話している。

 研究所は改装費用の一部をクラウドファンディング(CF)で募っている。目標金額は150万円で期限は6月29日まで。CFサイトは「だるま堂 キャンプファイヤー」で検索できる。 (岩佐遼介)

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