「水城跡」の整備に着手 春日市の国特別史跡

西日本新聞 ふくおか都市圏版 上野 洋光

樹木伐採、当時の姿再生へ

 福岡県春日市は、市内にある国特別史跡「水城跡」(大土居、天神山)の整備に着手した。大土居水城跡では今月初め、土塁の上に成長した高さ20メートルほどの樹木22本を土塁保護のために伐採。同水城跡の土塁の姿がはっきりと分かるように整備して、地域住民に親しまれる環境づくりを目指す。

 春日市の両水城跡は、太宰府、大野城両市にまたがる大水城に比べて規模は小さいが、当時の防衛ラインを完成させる重要な施設だった。このため大土居水城跡は1974年、天神山水城跡は78年に国の特別史跡に指定された。市は両水城跡の整備基本計画を今年3月に策定。土塁部分の整備のほか、今後20年をかけて、隣接する自然丘陵地の樹木なども段階的に伐採、間伐を重ね、一体的な景観形成を図る計画だ。

 約1350年前に築造された土塁が樹木で覆われたのは、高度経済成長期にエネルギー資源が石油に変わり、燃料用のまきとして活用されなくなったため。60年代以降、ほぼ放置状態のカシやクス、ハゼが大きく育ち、幹の直径が1メートル、高さ20メートルに育った大木もあった。

 宅地化が進んだ地域からは落ち葉への苦情が寄せられていた。樹木が幹線道に倒れて事故を招いたり、根こそぎ倒木して土塁を壊したりする恐れもあり、市は伐採に乗り出した。今月4、5日に伐採した大土居水城跡では、株を自然に枯らし、抜き取った後、盛り土で土塁を保護する考え。

 整備によって、土塁の姿が分かるようになるほか、晴天時には高所から博多湾などを眺望できるようになるという。同市文化財課は「地域住民に愛され、誇りに思ってもらえるように整備したい」としている。

(上野洋光)

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