コロナ終息願い、全国64酒蔵でお酌リレー動画 書家・紫舟さんも協力

西日本新聞 一面夕刊 木村 貴之

 日本酒や焼酎を造る全国の酒蔵の蔵元(代表)らが順に登場し、自慢の酒でお酌するリレーで日本列島を縦断する動画が、インターネットで話題を呼んでいる。新型コロナウイルス終息への願いを込め、著名な女性書家もボランティアで協力し、動画の企画や制作段階で九州の酒蔵も活躍。お酒好きな人、苦手な人、飲めない人を問わず動画は広く注目を集めそうだ。

 題して「繋(つな)げ! 47都道府県乾杯リレー 今こそ國酒(こくしゅ)の力で日本を笑顔に」。動画は「國酒ALLSTARS(オールスターズ)」名義で、動画投稿サイトユーチューブ」に今月5日に投稿された。12日現在で約6千回視聴され、会員制交流サイト(SNS)などを通じて視聴回数を伸ばしている。再生時間は3分。

〈ユーチューブで公開中の動画『繋げ!47都道府県乾杯リレー 今こそ國酒の力で日本を笑顔に!』〉

 リレーは、左右に2分割された画面で展開される。北海道「男山」の酒蔵で蔵元が酒瓶を傾けると、青森「陸奥八仙」で蔵元が持つ器に酒が注がれ、次は陸奥八仙から岩手「南部美人」へ-。軽快なリズムに乗って繰り広げるお酌リレー。列島を南下し九州を一巡、最後は沖縄「八重泉」が泡盛を男山に返して締めくくる。47都道府県から計64酒蔵が参加。それぞれ看板銘柄もしっかりPRする。

 動画の冒頭、画面中央に浮き出る題字「繋げ」は、繊細さと力強さを併せ持つ独特なタッチの毛筆書き。2010年放送のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の題字で注目された書家・舟(  しゅう)さんが手掛けた。動画に登場する東北の酒蔵と親交があり、酒蔵からの要請を快諾し、無償で題字を書き下ろしたそうだ。

 関係者によると、「國酒」は日本酒と泡盛を含む国産焼酎を指し、全国各地に根差す伝統の酒。古くから神事に用いられることを踏まえ、動画を通じて縁起物の國酒を広く発信する狙いもある。酒造業界は4月の緊急事態宣言発令後、出荷先となる飲食業界の営業自粛で売上高が激減。5月下旬の宣言解除後も大きく好転するめどは立たないことから、業界の連帯感を強めて難局を乗り切るとの決意が込められている。

 動画作りは、若手の蔵元有志が緊急事態宣言期間中にオンライン会議システムで情報交換を重ねて企画した。宣言解除後に短期間で参加蔵元を募って撮影を手配。動画編集に明るい人材がいる熊本「れいざん」が全国から寄せられた映像を受け取り、一気に仕上げたという。

 動画の終盤、出演者の一人がカメラに向かい酒瓶を傾けると、64こまの画面に出演者全員が登場して「乾杯!」。続いて英文でも、「國酒の力で笑顔に」のメッセージが発信される。

 企画に携わり、動画ではリレー開始の号令役も務めた佐賀「天山」の蔵元・七田謙介さん(49)は「100年前のスペイン風邪にも屈せず、歴史を重ねてきた國酒。乾杯の輪を世界にも広げたい」と話している。(木村貴之)

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