郵政G120人が「虚偽申請」 持続化給付金、コロナ影響で減収装う

西日本新聞 宮崎 拓朗

 日本郵政グループは12日、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減った個人事業主らを国が支援する「持続化給付金」を巡り、日本郵便かんぽ生命保険の社員約120人が新型コロナとは無関係なのに受給申請していたと明らかにした。かんぽの不正販売問題に伴う営業自粛で収入が減少した営業担当者が申請したとみられ、一部の社員は既に受給している。制度を所管する中小企業庁は、不正受給が判明した場合は刑事告発するとしており、刑事罰が科される可能性もある。

 日本郵便の立林理常務執行役員は、同日の記者会見で「新型コロナの影響で大変な状況の方が多数おられる中で申し訳ない」と陳謝。申請者全員に対し、申請の取り下げや給付金の返還を促しているが、日本郵便の社員十数人が応じていないという。

 持続化給付金は、新型コロナの影響で収入が半減した中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円を支給する。営業担当者は、保険の契約件数に応じて支給される営業手当を個人事業主として確定申告しており、手続き上は申請が可能だった。

 「一部の社員が新型コロナの影響と偽って給付金を申請している」との情報を受け、同グループは5月下旬から社内調査を実施。日本郵便で約100人、かんぽ生命で約20人が申請していたことが判明した。

 国が給付金の受け付けを開始した5月1日以降、西日本新聞にも同様の情報が寄せられた。取材に応じた一人は「営業自粛の対象になっていない商品もあり、コロナの影響で顧客訪問ができなくなった。申請に問題はない」と主張していた。

 熊本学園大の坂本正シニア客員教授(金融制度論)は「不正販売問題で再発防止を目指している中、社員にコンプライアンス(法令順守)の意識が浸透していない深刻な実態が明らかになった。なぜこのようなことが起きてしまうのか。郵政グループは背景を含めて徹底して調査し、説明責任を果たすべきだ」と指摘した。 (宮崎拓朗)

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