20分でPCR検査 唾液検体、キット販売へ 鹿児島大発ベンチャー

西日本新聞 社会面 石田 剛

 鹿児島大学発のベンチャー企業「スディックスバイオテック」(鹿児島市)が、唾液を検体に微細な粒子(ナノ粒子)を用いて短時間で新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査キットを開発した。15日に発売する。鼻の粘液を採取する方法だと1時間かかっていた前処理作業が3分程度で済み、検査全体も最短20分ほどで結果が出るという。感染の再拡大に備え、検査態勢の充実につなげる。

 鹿児島大の隅田泰生教授(生物化学)らのグループがインフルエンザウイルスの検査向けに開発した技術を利用。ウイルスが付着する細胞表面の化合物「糖鎖」に、磁気を帯びたナノ粒子を固定させ、磁石で生きたウイルスを集めて遺伝子を抽出する。遠心分離の作業などが要らず、時間を短縮できる。高速の測定器を使えば、通常は数時間かかる検査全体も20分程度で済むという。

 臨床検体を使った実験で従来法とほぼ同じ結果を確認。厚生労働省から10日に保険適用が認められた。医療機関や検査機関に販売する。

 鼻の粘液を採取する従来法はくしゃみやせきを起こしやすく、検査担当者の感染リスクがあった。同社のキットは、唾液0・5ミリリットルで検査できる。隅田教授は「迅速に検査できる上、現場の医療関係者の感染リスクも減らせる」と話す。 (石田剛)

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