在宅勤務の午後、マンションのエレベーターの前に1人の女の子が…

西日本新聞 オピニオン面

 在宅勤務の午後、マンションのエレベーターの前に1人の女の子が。大きく見えるランドセルには交通安全の黄色いカバー。新1年生らしい

▼エレベーターの扉が開いた。女の子は動かない。新型コロナ対策で「人と距離を取りなさい」と教わったか。「新しい日常」である。いや、「知らない人と話しちゃいけません」か。こちらの用心は「元の日常」から引き続き

▼固まったままの女の子に声を掛けた。「5階に住んでいる○○です。こんにちは。あいさつしたから、もう知らない人じゃないね」。帽子とマスクの間からのぞく目が大きく開いた。元気な声で「9かいにすんでいる△△です。こんにちは!」

▼感染が下火になり、福岡市立の小学校は先月21日に登校を再開。入学式は、その2日後だった。「1年生?学校が始まってよかったね」「はい!1ねん◎くみです。せんせいは□□せんせいです。おともだちは××さんです。おべんきょうは…」。おしゃべりが止まらない。待ちわびていた学校に行けるのがうれしくてたまらないふうだ

▼コロナ禍で子どもたちも振り回された。休校で友達と遊べず、在宅もストレスだったろう。今後も感染対策は怠れず、勉強の遅れも心配だ。それでも、学校の新しい日常は楽しいものにしてあげたい

▼次に会ったらきっとあいさつしてくれるだろう女の子の、マスクを外した笑顔が見られる元の日常が待ち遠しい。

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