高校生代替大会 努力の成果発揮する場に

西日本新聞 オピニオン面

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった高校部活動の晴れ舞台の代わりに、独自の大会やイベントを開催する動きが広がっている。

 青春の目標を突然奪われ、失意にあった高校生、特に3年生に、努力の成果を発揮する場が準備されることに胸をなで下ろす。同時に、制約の多い環境下で感染防止と開催に尽力している関係者に敬意を表したい。

 日本高野連は、中止した春の選抜大会に出場予定だった32校を8月に招待し、甲子園球場で交流試合を開く。1試合だけの対戦だが「一生の宝物になる」といった歓迎の声が聞こえる。勝利を目指す高校生の懸命なプレーはコロナ禍で晴れない世の中の空気を変えてくれよう。熱い戦いに期待したい。

 全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)の地方大会の代替計画も次々に発表されている。スポーツ庁によると、既に30を超える都道府県で決めた。いったん断念を公表した福岡県高野連も一転開催することになった。

 全国高校総合体育大会(インターハイ)の代替大会も5県が開催を決定したほか、ほぼ全国的に開催に向けて検討中だ。

 全国中学校体育大会の代替大会も各地で検討されている。こうした大会を支援するため、国の第2次補正予算に8億4千万円が計上された。

 それでも気になるのは、やはり感染の防止だ。日本高野連はガイドラインに「3密」回避、検温の徹底、2週間前からの行動の記録などを盛り込んだ。他の競技でも参考になる運用を目指してほしい。

 ウイルスとの共存を前提に「新しい生活様式」が求められる今、ゼロリスクにこだわっては前に進めない。細心の注意を払いながら、中高生スポーツに集大成の場を設けたいという姿勢は支持したい。

 文化系の部活でも同様の取り組みが広がる。全国高校総合文化祭(総文祭)は公式サイトで演奏動画や作品の画像などを公開する。写真部門などでは審査もある。サイト上で代替イベントを「増刊号」として開く全国高校漫画選手権大会(まんが甲子園)は作品テーマを「新しすぎる生活様式」とした。

 コロナ禍によって中高生は人知を超えた脅威の存在や助け合いの大切さなど多くのことを学んだに違いない。

 女子バドミントンの五輪銅メダリスト奥原希望(のぞみ)選手は4月、ブログで中高生にこう呼び掛けていた。

 「君たちにしかわからない ということは 君たちにしかできないことがある」「必ずこの経験があったから 今があると思える日が来ると思う」

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