国内旅行1泊上限2万円、日帰り1万円 国の観光支援8月開始へ 

西日本新聞 社会面 森井 徹

 国土交通省は16日、新型コロナウイルス感染症で打撃を受けた事業者を支援する「Go To キャンペーン」のうち、観光事業関連の事務局を担う委託先の公募を始めた。事務委託費の圧縮などを選定基準に追加し、透明性を確保するとしている。一部地域での感染拡大に備えて地域ブロックごとに予算を配分する考えで、支援事業の詳細も明らかにした。8月上旬の事業開始を目指す。

 事務委託費の上限は、関連予算約1兆3千億円のうち2294億円。高額な委託費や持続化給付金事業を巡る再委託先への「丸投げ」が問題視されたことを受け、評価項目に「経費の適切性」などを設けたほか、主要業務の再委託を禁じた。7月上旬にも委託先を決定する。

 赤羽一嘉国交相は同日の記者会見で「スピードを確保しつつ、透明性の確保と説明責任を果たすことが重要だ」と強調。委託費については「(審査を通して)一定の抑制が効くと思う」と述べた。

 キャンペーンは、旅行・宿泊料金の半額(上限1人1泊2万円)を国が支援する。パックツアーの宿泊費と交通費、個人手配の宿泊費、宿泊に準じる夜行フェリーや寝台列車の料金などが対象で、連泊や利用回数に制限はない。

 支援額のうち7割はツアー代金や宿泊費の割引に充て、残り3割は旅行先の飲食店や土産物店などで使えるクーポン券として配布する。日帰り旅行も交通費や食事、温泉、観光体験をセットにしたプランを想定しており、1日1万円を上限に支援する。期間は約半年で調整中だ。

 特定の地域に観光客が集中するのを避けるため、国交省は関連予算を九州や北海道など全国十数のブロックに分けて配分する方針。感染防止と旅行需要の喚起を両立するため、ある地域で感染者が急増した場合は、ブロック単位でキャンペーンを一時停止して実施時期を遅らせることも検討する。

密集回避へ休暇取得分散 20年観光白書

 政府は16日、2020年版観光白書を閣議決定した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国内の旅行需要喚起が「観光による地方創生の第一歩」と指摘。感染拡大防止のため、休暇の取得を分散し密集を避けるなど、新しい旅行スタイルの定着を目指すとした。

 感染拡大に伴う入国制限の影響で、4月の訪日外国人客は前年同月比99・9%減。3月の国内旅行消費額も外出自粛で同53・1%減に落ち込んでいる。

 白書では、国内旅行消費額の6割は三大都市圏以外の地方部が占めるとした上で、需要喚起策「Go To キャンペーン」の早期実施が重要だと指摘。訪日客の誘致を可能な国から再開するとした。20年に訪日客を4千万人とする政府目標には触れなかった。

 地方への訪日客誘致の重要性も強調。ラグビーのワールドカップ(W杯)が開かれた昨年9、10月に、会場となった大分では主要出場国からの宿泊者数が前年同期の9・04倍、熊本は3・77倍、福岡は2・28倍と大きく伸びたことを紹介した。 (森井徹)

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