子どもの食、問われる親の意識 「早寝、早起き、朝ご飯」の実態調査

西日本新聞 くらし面 佐藤 弘

福岡県糸島市の全小6 1015人対象に調査

 福岡県糸島市の小学6年生を対象に、食生活を中心とした日常をアンケートした「糸島の子どもたちの食と暮らし2020」の報告書がまとまった。市や九州大の協力の下、2008年以来、約10年ぶりの調査を企画した任意団体「志摩男女共同参画ネットワーク」の宗俊子代表ら60代女性5人のコメントを添え、概要を紹介する。

 全国の小学校で提唱されている「早寝、早起き、朝ご飯」の実態はどうか。

■朝食と睡眠時間

 【欠食率は増加】

 朝ご飯を「毎日食べている」割合は79・8%(08年調査比6・7ポイント減)。「たまに食べない」17・8%(同5・5ポイント増)。一方、「全く食べない」は2・2%(同1・4ポイント増)で欠食率は増加した。

 【ご飯派わずかに優位】

 「ご飯中心」は48・5%(同0・8ポイント減)、「パン中心」は43・2%(1・4ポイント増)。差は縮小しつつある。

 【43%がみそ汁なし】

 朝のみそ汁の摂取率は「毎日」8・6%に対し、43・4%が「全くなし」。ご飯中心と答えた中でも4分の1はみそ汁が全くなしだった。

 コメント 「農協婦人部でみそ造りしているので衝撃。たくさん野菜を入れれば簡単に栄養がとれるのに」「祖父母がいた時代は朝は絶対ご飯とみそ汁だったが、自分の代だとそうじゃない。まして朝食がパンで、核家族の家庭ならこの結果はうなずける」

 【夜11時以降に就寝】

 就寝時刻は「午後10時台」42・2%、「午後11時台」22・0%、「午前0時以降」8・9%。起床時刻を見ると、午後11時前に寝た子の61・6%は翌朝7時前に起き、それ以降に寝た61・1%は7時以降に起きていた。

 「毎日」か「ほぼ毎日」午前中に学校で眠くなるのは計35・7%。「学校でのイライラ」は「よくある」「ある」が計53・5%。「あまりない」36・8%、「全くない」が9・3%。午後11時以降に寝た子の3分の2が「イライラがある」と回答した。

 コメント 「スポーツ活動に通う子も塾通いの子も、夜9時過ぎに親が送り迎えしている。夕食は10時ごろ。早起きできるはずがない」「親が就寝時間の遅さを意識していないから子どもも夜型。悪循環だ」

 

■外遊び&スマホ

 専門家は、子どもの健やかな育ちには「早寝早起き、朝ご飯」だけでなく「テレビを消して外遊びを」という。

 【外遊びなし3分の1】

 1日の外遊び時間は「ゼロ」がトップで34・6%。「60~89分」19・9%、「30~59分」18・2%。平均は40分。08年比で28分減少した。

 「テレビの視聴時間」は平均89分、「ゲーム等(スマホなどを含む)」は95分。「1日に3時間以上テレビを見る」は16・5%、「ゲーム等で3時間以上遊ぶ」は20・2%。「ゲーム機」の所有率は72・1%、「携帯電話やスマホ、タブレット」は60・0%。「ゲーム等で毎日120分以上遊ぶ」の45・8%が、午後11時以降に寝ていた。

 コメント 「地域の交流事業で集まるのは低学年だけ。高学年は塾、習い事、スポーツと予定がびっしり」「ゲーム機で育った世代の親は、ゲームに対する抵抗感、危機感が薄いと感じる」

 

■手伝いと自炊

 自然に恵まれ、農業も盛んな糸島。「学校の授業以外での農作業体験」は「たくさんある」が17・9%、「ある」が37・8%で、5割以上が体験者だった。

 料理の手伝いは「毎日する」7・6%、「週に数回」23・3%、「月に数回」50・7%。一人でできる料理は「炊飯」82・8%、「みそ汁」73・2%、卵焼き78・5%。

 農業体験のある子の方が手伝う率が高かった。

 コメント 「祖父母が地域で農業をしていても、実際に関わらなければ子どもは何も知らない。農業や料理など、幼い頃から意識して体験させる場を設ける必要があると感じた」

 (佐藤弘)

調査の概要 市内の全小学6年生1015人を対象に19年12月に実施(回収率83・7%)。調査の基本設計と分析は、九大大学院農学研究院の佐藤剛史助教が担当した。

 

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