子どもの食、問われる親の意識 「早寝、早起き、朝ご飯」の実態調査 (2ページ目)

西日本新聞 くらし面 佐藤 弘

まねしてほしい環境で育てよう

 2001年に香川県・滝宮小で「子どもが作る“弁当の日”」を始めた、竹下和男・元校長に聞いた。

 子どもは、一生使う大切なことは幼少のうちに習得しようと、真剣に家族を観察します。容認されることは「普通」で、禁じられることは「ダメ」。しかも「言うこと」より「していること」をまねますから、子どもはまねてほしい環境の中で育てるべきなのです。

 食事が、生きるための栄養素とカロリー摂取だけの問題なら、餌を与えておけば一人前の大人になれるはず。しかし、人間は社会をつくることによって発展してきましたから、社会に適応する体を「食べ物」でつくり、「食べ方」によって心を育むことを伝える必要が生まれました。

 朝の欠食や、1人で食べる「孤食」が問題視されるのはそのため。でも、親自身がそのような環境の中で育ってきたのなら、それは改善すべき状況なのだと自覚はしないでしょう。

 人間は環境に応じて生きる動物です。子育てを楽しむ親に育てられた子どもは、子育てを楽しむ親になります。私の元には、真剣に“弁当の日”に取り組んだ教え子から「わが子を台所に立たせ、子育てを楽しんでいる」「誰かのために食事を作るのは楽しい」という報告が寄せられます。

 新型コロナウイルス対策で家庭で過ごす時間が多くなったことを生かし、子どもたちに台所仕事を。親が支援的であれば、子どもはどんどん「役に立つ」存在になります。それが自立であり、生きる力です。子どもの奮闘に目を細め、見守ってください。(談)

 

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