午後より「姿三四郎」をみに行く【軍国少年日記】

西日本新聞

六月二十九日(金)曇

 朝、工場に行くのが遅くなりさうなので、父のてん車にのって行った。

 工場の門前に七時四十分集合。第一講堂にて、草葉第一工場長他の一人から、安全教育、防諜防衛につき講話あり。午後より「金映」に「姿三四郎」をみに行く。男らしいゆうそうな映画だった。

 晩御飯は僕がたいた。母は稲植ゑに北野に行ったからである。とても美味くたけた。

 二十時しゅうしん

 二十八日二十四時三十秒前警戒警報、直に空襲警報、敵機らいしゅう三・四回あり。

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 【注釈】▽姿三四郎…1943(昭和18)年に公開された黒澤明の初監督作品。主演は久留米市出身の藤田進。藤田はその後、「加藤隼戦闘隊」などで軍人役として人気を得た。戦後も「隠し砦の三悪人」などの黒澤作品、テレビ「ウルトラセブン」の地球防衛軍長官役などで活躍。90年、78歳で没した

 ▽防諜…スパイの活動を防ぐこと

 ▽金映…久留米市にあった金星映画劇場のこと

※福岡県久留米市出身の竹村逸彦さん(89)が14歳だった戦時中に書いた「軍国少年日記」を、できるだけ原文のまま掲載しています

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