【Fの推し増し】 芽瑠の挑戦―違った私になれている、確信はある

西日本新聞 古川 泰裕

HKT48田島芽瑠長文インタビュー後編

 新型コロナウイルス禍でさまざまな活動が制限される中、フルリモートの演劇に挑戦するなど可能性を広げ続けたHKT48の田島芽瑠(20)。オーディションを突破した劇団ノーミーツの「門外不出モラトリアム」は、4年間の大学生活をフルリモートで過ごした5人の学生たちの「最後の日」を描いた作品。リモートインタビューの後半では、主要キャストの一人「マイ」を演じた芽瑠が作品について語る。(古川泰裕)

「似ているからこそ、ちょっと難しかった」

 -脚本はタイムリープ(時間跳躍)もので入りやすかったのでは。

 芽瑠「一回は見たことがあるようなジャンルの作品。今を生きている人たちが一番共感する世界というか、そういう題材が選ばれていたからこそ、たくさんの人に見ていただけたのかなと思います」

 -主要キャストの一人「マイ」を演じた。明るく快活な大学生で、年齢も近いし性格も似ているところがあったのでは。

 「似ているからこそ、ちょっと難しかったですね。ファンの方が見ても、私らしい部分はあってもマイちゃんなんだなって感じていただくのが難しくて。『芽瑠ちゃん本人じゃん』って言われるのが一番嫌じゃないですか。私に近づいてはいるけど、その一歩手前のマイちゃんっていう違う人物なんだって、印象づけるのが難しかったです」

 -マイたち4人が最終的に主人公・メグルのタイムリープを理解したようなそぶりを見せる。印象に残ったシーンは。

 「うーん…やっぱりこう、メグルの背中を4人が押して、送り出して『また会おうね』っていうシーンは印象的というか。すれ違っていた5人が、別の世界線にいる5人の夢を見ているっていう共通点から、またあの頃みたいな雰囲気に戻って、過去に戻るメグルを送り出すっていう、あの感じは私の中でも印象的だったし、すごく大事にしていたシーンでもありますね。個人的に心を打たれるのは夏のシーンで、ケンジがみんなに『海に行こう』って訴えかけてくれて、メグルが引き留めて、その後5人で会話をしていく流れっていうのが、公演ごとに違って。あそこはすごく心を動かされるというか。多分、今の私たちの気持ちをケンジが代弁してくれているからこそ、あそこはすごく熱のあるシーンになったんだと思います」

「門外不出モラトリアム」に出演したHKT48の芽瑠(上段右端)。「海に行きたい」と必死に訴えるケンジ(下段左)の言葉に耳を傾けるシーンは、芽瑠にとっても強く印象に残る場面となった

 

「次のお芝居の機会、すごく生かせる」

 -シーンが進むにつれて、ケンジの主張への理解が深まっていくのを感じた。

 「そういう気持ちが、やっぱり誰しもが心の中にあって。外に出たいっていう気持ちがあるからこそ、そこがすごく作品の要というか、重大なシーンなんだなと感じます」

 -異なる世界線のマイを演じて。

 「一番悪いときの世界線になった時、ケンジとかはけっこうやさぐれていて分かりやすく変わってはいたんですけど、私はあまり変えてなくて。私(マイ)はその世界線でも(幼なじみの)リョウイチと付き合ってはいるので。自分にとっては、外には出られなくなったし、世界は(作中で)最悪かもしれないけど、好きな人とは付き合えているし、その部分では青春なので、マイちゃん自身では、そこまで悪い世界線ではないんですよ。見ている側からしたらケンジみたいに分かりやすく変わっている方が『悪い世界線なんだな』ってなったと思うけど、変わらないっていうのも逆に難しくて。世界は変わっても、マイちゃん自身はそこまで変わってなくて、ただ、友達がいなかったというか。リョウイチっていう恋人しかいなくて、あの5人組っていう友達にはなれなかったっていう世界線だったので、そういう気持ちでやっていました。だから、あんまり変えすぎず」

 -作中では最悪の世界線でも、マイ自身はそこまで落ち込む必要はなかったと。

 「(ストーリー上)最初の、ケンジがいなくなった状態で卒業してっていう世界線は多分、マイはリョウイチに告白ができていないので。それが一番、マイにとっては悪い世界線ではある。明るく振る舞っているけど、どこかケンジがいないことにも引っかかっているし、ケンジがいないことでリョウイチが悩んでいるっていうことにも絶対気づいてるから、それで自分の気持ちを押し殺しているっていう、ちょっと空元気みたいな感じでやっていました。そこと、夏のシーンでケンジがいる時のマイちゃんのテンションは違うんだなっていうのを出したいなって」

 -新しい世界の扉を開けた。

 「すごくいい経験をさせていただいたなっていうのを改めて感じて。家で一人演技して…普通よりも難しいことに挑戦したと思うんですけど、そこでここまでたくさんのことを学べて、力をつけられて。もしコロナが落ち着いて、次は舞台上っていうか、お芝居をする機会があったときに、すごく生かせるというか。自粛前と違った私になれているっていう確信はあります」

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