「納得できない」かんぽ救済漏れ相次ぐ 調査要件線引きに顧客憤り

西日本新聞 一面 宮崎 拓朗

 かんぽ生命保険の不正販売問題の重点調査を巡り、不正契約と疑われる場合でも、調査されないケースが相次いでいる。日本郵政グループが設けた調査対象の要件から外れていることが原因。同グループは6月末までに重点調査を終える方針だが、要件を満たさない契約に関しては、顧客側が声を上げない限り放置される可能性が残る。

 「現在契約中のものに関しては問題ありません」。昨年11月、郵便局側に80代の母親の契約状況について問い合わせていた静岡県の50代女性は、担当者からこう告げられた。

 これにはからくりがあった。女性が過去の契約履歴を取り寄せたところ、2007年以降に計11件の契約があり、月の支払額は多いときで約23万円。14年には当時契約していた保険を一括解約され、約860万円の解約返戻金が新たに契約した2件の保険料に充てられていた。担当者が「問題なし」と説明したのはこの2件についてのみだった。

 重点調査対象の一つである「多数契約」について、同グループは「過去5年に10件以上の新規契約があり、その3割以上が解約などで消滅した」と規定。女性の母親のケースでは「過去5年」の要件から外れるため、調査対象から漏れたとみられる。

 女性によると、解約に伴う損失は約230万円に上るといい、母親は「担当者から『娘さんたちのためになる』と言われ、契約内容の説明を受けないまま契約した」と話しているという。女性は「郵政側の勝手な線引きで救済するかどうかを決めるのは納得がいかない。自分の親にも同じことができるのか」と憤る。

 西日本新聞には重点調査が始まった昨年8月以降、全国の顧客から「調査を求めても放置されている」「問題ないと言われ返金を拒否された」との声が相次いで寄せられている。

 日本郵政の増田寛也社長は3月の記者会見で、重点調査の対象から漏れた契約について「不利益が生じていれば、きちんと被害回復を行っていきたい」と話している。 (宮崎拓朗)

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