原発巡る論戦期待 鹿児島県知事選25日告示

西日本新聞 総合面 上野 和重 河野 大介

 鹿児島県知事選(25日告示、7月12日投開票)は、九州電力川内原発(同県薩摩川内市)を巡る論戦が深まるかが焦点の一つだ。2011年の福島第1原発事故後、2回あった知事選は原発政策が大きな争点になった。今回は24年に40年の運転期限を迎える川内原発1号機の運転延長にどう向き合うかが問われる。

 前回知事選は全国で唯一稼働していた川内原発の運転継続を巡り、反原発団体が支援し、「脱原発」を打ち出した新人三反園訓(みたぞのさとし)氏(62)が、自民党の原発政策推進の立場で「容認」の現職伊藤祐一郎氏(72)を破り初当選。三反園氏はその後、稼働容認に転じた。

 原発の運転期間は福島事故後の法改正で原則40年となった。ただ、原子力規制委員会が認可すれば20年を上限に延長できる。これまで延長が認められた原発は国内で4基(関西電力美浜3号機、高浜1、2号機、日本原子力発電東海第2原発)あるが、いずれも再稼働していない。川内原発は再稼働後、運転延長を求める初のケースとなる。

 三反園氏は今回、自民、公明両党の推薦を受ける。運転延長については「運転期間は原則40年」と繰り返し、賛否の明言は避ける。伊藤氏は延長を認めつつも「福島事故後30年の2041年に稼働を終了させる」と期間短縮を主張。元鹿児島大特任助教の有川博幸氏(61)は延長は基本的に反対とし「計画的に早急な廃炉を求め、原発に代わるエネルギー供給施設をつくる」と強調。元九州経済産業局長の塩田康一氏(54)は「県の専門委員会を活用し科学的、技術的に判断し、必要があれば対策を九電などに申し入れる」と話す。

 4人はいずれも将来的な脱原発の方向性を示すが、運転延長に対する考えは少しずつ異なる。

 一方、反原発団体は、運転延長に反対する内科医横山富美子氏(73)を擁立。横山氏は「即時停止、廃炉」を訴える。元民放アナウンサーの青木隆子氏(57)も反対を明言し、「原発立地県で原発が争点にならないはずはない」と語る。知事選には、元高校教諭の武田信弘氏(66)も立候補の意向を表明している。

 薩摩川内市の不動産業堀武芳さん(54)は「廃炉を主張するならその後の筋道を、延長に賛成するなら理由を堂々と述べてほしい」と論戦が活発化することを期待している。 (上野和重、河野大介)

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