産休中に雇い止め、保険も無断で脱退 女性が会社を提訴 福岡地裁

 産前休暇中に違法に解雇されたなどとして、福岡市中央区の不動産会社に勤務していた20代女性=福岡県=が、同社に慰謝料など計約500万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こした。会社側は無断で健康保険や雇用保険の脱退手続きを取り、女性は出産手当金などを受け取ることもできなかったという。第1回口頭弁論が22日あり、会社側は争う姿勢を示した。

 訴状によると、女性は2018年1月から正社員として経理業務などを担当。19年3月から会社の承諾を得た上で産前休暇に入った。しかし同月以降の給与が振り込まれず、同年5月には「業務委託契約終了のお知らせ」と題する書面が送られてきた。

 女性が健康保険と雇用保険に加入できたのは入社1年後だったが、健康保険は産前休暇を取得した翌日に脱退手続きが取られていた。女性は、出産手当など計約165万円を受給できなかったと主張している。

 労働基準法は、災害などやむを得ない場合を除き産前産後休暇中の雇い止めを禁じる。健康保険法などは正社員の保険加入を義務付けており、女性の代理人弁護士は「違法解雇に加え、保険を巡る対応で多大な精神的苦痛を被った。典型的なマタニティーハラスメントだ」と訴える。

 女性は昨年10月、福岡地裁に労働審判を申し立て、今年1月に会社が解決金200万円を支払う内容の審判が出た。会社側が異議を申し立てたため、訴訟に移行したという。

 女性は西日本新聞の取材に「子どもを抱えながら審判に足を運んだが、裁判になってしまい本当に残念。会社には責任を認めてほしい」と話した。

 第1回口頭弁論で会社側は「『業務委託契約終了のお知らせ』との書面は担当者のミス。保険については女性側が加入を拒んでいた」と答弁書で反論した。会社の代理人弁護士は「コメントは出せない」としている。

(鶴善行)

 

福岡県の天気予報

PR

PR