隠しカメラ訴訟、オンブズマンの訴え棄却 大分地裁、賠償認めず

西日本新聞 大分・日田玖珠版 井中 恵仁

違法捜査でも「給与支払いは適正」

 大分県警別府署の捜査員が2016年の参院選直前に野党支援団体が入る建物敷地に無断で隠しカメラを設置した捜査に関し、「おおいた市民オンブズマン」が違法捜査の人件費などの支出は不当だとして当時の県警本部長らに賠償請求するよう県に求めた住民訴訟で、大分地裁は22日、請求を棄却した。

 オンブズマン側は「違法捜査は労務時間とはいえず、県は支出する必要のない給与を支払い損害が発生した」と主張していたが、鈴木和典裁判長は「勤務時間は使用者の指揮命令下に置かれていたかで決まる」と判断した上で、捜査員は勤務時間に今回の捜査を行ったと指摘。捜査には違法性があったが、給与の支払いは適正だったとした。

 判決によると、別府署の捜査員らは16年6月、公選法違反容疑の捜査で、別府地区労働福祉会館の敷地内に無断でビデオカメラ2台を設置して撮影するなどした。オンブズマン側は、事件に関係した人件費や公用車の燃料費など計2万4698円を賠償請求するよう県に求めて、提訴した。

 オンブズマンの永井敬三理事長らは「非常識で市民感覚とかけ離れた判決」とし、控訴を検討する。県警は「判決内容を詳しく見ておらず、コメントは差し控える」としている。

 事件を巡っては、当時の刑事官ら4人に対し建造物侵入罪で各5万~10万円の略式命令が出された。

(井中恵仁)

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