トンネル点検の無人飛行船「マンボウ」 熊本地震機に開発

西日本新聞 社会面 華山 哲幸

 長崎大(長崎市)と西松建設(本社・東京)は23日、水力発電所の水路トンネル内部を点検する飛行船型の無人ロボット「トンネルマンボウ」を開発したと発表した。熊本地震を契機に、老朽化による内部崩落などを避けるために共同研究が進められ、3年かけて完成。国内に水力発電所は千カ所以上あり、通常は人がトンネル内に入って作業していたが、ロボットで目視点検が可能になるという。

 ロボットは全長3・7メートル、幅1・2メートル。飛行船の後方や底にあるローターで姿勢を安定させてトンネル内を進む仕組み。前方のライトで壁面を照らし、備え付けのカメラでひび割れなどを確認する。センサーによって飛行船と内部の壁面は一定間隔が保たれ、時速1・5キロで自律飛行できる。蓄電池で約2時間、最長6キロの運航が可能という。

 2016年の熊本地震後、水力発電所のトンネルの被災箇所を安全に調査するため、無人で点検できる技術がないか、一部の電力会社が西松建設に問い合わせたことが開発のきっかけ。同社が別の分野で連携した実績がある長崎大に共同研究を持ち掛けて実現した。

 資源エネルギー庁によると、国内の水力発電所は1747カ所(2月時点)。水力発電は再生可能エネルギーとしてその価値が見直される一方、多くは建設から長い年月が経過しており、各地で老朽化対策が課題となっている。

 開発に携わった長崎大海洋未来イノベーション機構の山本郁夫教授は「災害時だけでなく、日常の点検にも活用してほしい」と話している。 (華山哲幸)

長崎県の天気予報

PR

長崎 アクセスランキング

PR

注目のテーマ