ハンセン病問題学ぶパネル展 法務局「差別をコロナで繰り返さない」

西日本新聞 ふくおか版 松本 紗菜子

 ハンセン病問題の歴史を学び、理解を深めてもらおうと、福岡市中央区舞鶴2丁目の市健康づくりサポートセンターあいれふ1階でパネル展が開かれている。福岡法務局主催。深刻な差別被害や療養所の生活などが紹介されている。

 国が定める「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」(6月22日)に合わせた企画で、県と県人権啓発情報センター作成の冊子「地域社会とハンセン病問題」をパネル31枚にして展示。戦前、県などが官民挙げてハンセン病患者を強制隔離した「無らい県運動」については、患者がトラックに乗せられて療養所に入所させられる写真とともに説明している。

 「療養所に強制収容された両親を『死んだ』ことにした」「家が真っ白になるほど消毒され、いじめられ孤独だった」といった、地域社会で厳しい差別と偏見に苦しんだ患者家族への聞き取りも掲示している。

 同局人権擁護部第一課長の平田浩一さん(54)は2003年、熊本地方法務局人権擁護課勤務時に熊本県内の温泉ホテルが元患者らの宿泊を拒否した事件を担当した。療養所や入所者を非難する電話が1、2週間鳴りやまなかったといい、「ハンセン病の説明をしても電話を切られた。社会に根深く残った差別意識が浮き彫りになった事件だった」と振り返る。

 福岡法務局では現在、新型コロナウイルスに伴う人権相談が増えており、感染への不安から感染者やその家族へ過剰な反応が向けられているという。

 同局は「差別をなくすには正しい知識が重要。かつてのハンセン病に対する差別をコロナで繰り返さないために、事実や歴史を知ってほしい」としている。入場無料。7月22日まで。開館は平日の午前9時~午後7時。 (松本紗菜子)

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