コロナとの“共生”へ くじゅう・法華院温泉山荘の決意

西日本新聞 もっと九州面 三村 龍一

 標高約1300メートル。大分県竹田市と九重町にまたがるくじゅう連山のど真ん中に位置する法華院温泉は、九州で最も高い場所にある温泉だ。この温泉を抱える法華院温泉山荘が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、1882年の開業以来初めて休業する事態に陥った。「くじゅうは何でも受け入れる」。営業再開した山荘代表の弘蔵岳久さん(58)は、連山を守るためコロナとも付き合っていく決意だ。

 「どんな人も受け入れるというのがうちのスタンス。でも、うちがくじゅうのシンボルであるという自負心が少しはあるので、休業に踏み切りました。今は待機の時期だと」

星生山山頂で日の出を待つ登山者。久住山が目の前に迫り、三俣山を見下ろす展望が広がる=2019年12月撮影(提供写真)

 4月9日から5月6日までほぼ1カ月の休業。それは「今はくじゅうに来ないで」という登山愛好家へのメッセージだった。しかし、事態の沈静化と長期化で、コロナとの“共生”へかじを切った。

 「自粛もしっかりしました。その上でコロナと付き合う方向へ転換していこうと。それで再開しました。従業員もそれぞれ考えてできることはやっています」

平治岳の斜面一面のミヤマキリシマは、文字通り「ピンクのじゅうたん」=2019年6月撮影(提供写真)

 山荘内の消毒を徹底し、最大120人収容の大部屋の宿泊は半分に制限。食事の席は間隔を空け、温泉の外来利用は中止した。

大船山から米窪を見下ろす。霧氷で覆われた銀世界が美しい=2019年12月撮影(提供写真)

 仏教寺院をルーツに持つ同山荘は毎年開山祭を開き、登山道整備も行っている。山荘の営業は、山を守る活動の一環でもある。

三俣山の本峰から見下ろした、「大鍋」と呼ばれる火口跡の紅葉。〝鍋底〟に下りれば、見上げる紅葉に囲まれる=2019年10月撮影(提供写真)

 春夏秋冬、登山者を引きつけてやまないくじゅう。その魅力はどこにあるのだろう。

 「飽きない景色と開放感。ずっと樹林帯を歩いていくととてもつらい。だけどくじゅうは振り返れば必ず景色があって、阿蘇山や由布岳、鶴見岳も見える。連山同士もお互いに近い。それが魅力なんやろね」

(三村龍一、写真協力は森光秀さん、佐々木義孝さん)

◆登山道を整備するボランティア募集

 法華院温泉山荘は7月18日(土)に立中山で行う登山道整備のボランティアを募集している。当日午前8時、長者原登山口駐車場集合。軍手、タオル、昼食など持参。くじゅうネイチャーガイドクラブのホームページで参加受け付け。宿泊希望者は山荘で電話予約。1泊2食付9500円(個室)。電話=090(4980)2810。

※新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、イベントは中止・延期される場合があります。お出掛けの際は電話やネットでご確認ください。また、国や自治体の要請に従ってください。

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