被災後初の大規模訓練 昨夏大雨、油流出の佐賀鉄工所大町工場

西日本新聞 佐賀版 河野 潤一郎

 昨年8月の記録的大雨で佐賀県大町町の工場が浸水し大量の油を流出させた佐賀鉄工所は24日、同工場で県や同町、警察、消防などと合同で防災訓練を実施した。同社は5月、昨夏と同規模の大雨を想定して水害対策に特化した防災マニュアルを策定。被災後初めての大規模訓練となった。

 訓練には同工場の全従業員約200人と関係機関の約50人が参加。敷地内を流れる川の水位が1・7メートルになったことをセンサーが感知した想定の「警戒レベル2」で、浸水を防ぐ建屋のシャッターに止水シートを設置して土のうで押さえる作業を開始した。

 さらに「水位が警戒レベル3に達しました」と放送があると、従業員らが幅約3メートル、重さ約16キロのアルミ製の板を積み重ねて通用口を封鎖。油槽浸水を想定してオイルフェンスや油吸着シートでの拡散防止策を取るまで約2時間半の訓練が続いた。

 昨夏の大雨では敷地内で最大約60センチ浸水したことから、油が流れ出た熱処理工程の建屋がある工場東側に総延長600メートル、高さ約2メートルのコンクリート防水壁が今月中旬に完成。防水壁の通用口には高さ約1・6メートルのアルミゲートを6カ所に設置し浸水を防ぐ。建屋内の八つの油槽は鉄製の高さ80センチの壁で囲う対策を施した。さらに工場東側敷地に毎分20立方メートルの自動排水ポンプを3カ所設けた。

 訓練終了後に報道陣の取材に応じた大町工場の江口隆信工場長は「油流出で地域に多大な迷惑を掛けた。ハード面だけではなく、風化させないよう訓練を続けたい」と述べた。

 工場からは推定で5万4千リットルの油が流出し、同町福母の農地約43ヘクタールが油混じりの水に漬かる被害が出た。 (河野潤一郎)

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