「80歳まで続ける」結成50年 飯塚市のアマチュアバンド「Candy」

西日本新聞 筑豊版 長 美咲

仲間の死で一時活動休止も

 福岡県飯塚市を拠点に、吉田拓郎さんやサイモン&ガーファンクルなど1960~70年代のフォークソングを歌うアマチュアバンド「Candy(キャンディ)」が、今年で結成50年を迎えた。メンバーの死で一時活動を休止したものの、復活を求める声を受けて再開。リーダーの久家康司さん(71)は「80歳まで続け、60周年を迎えることが次の目標」と意気込む。

 Candyは70年、大学生だった久家さんと山田勝則さん(70)、鶴研治さん(70)、久家さんの弟周三さんで結成した。4人は元々、久家さんと山田さん、鶴さんと周三さんがそれぞれデュオで活動していたが、2人ではハーモニーに厚みが出ないなど音楽的な限界を感じ、久家さんが鶴さんと周三さんを誘った。結成前は全員がギターだったため、久家さんが独学でウッドベースを習得し、ギター3人、ベース1人の編成でスタートした。

 主な活動の場は、地域の行事や、旧飯塚文化センターで毎月開催されていた、地元の若者がフォークを発表する「Fの会」。デュオ時代には同会でトップを競っていた2組が集ったCandyはすぐに実力を認められ、大トリを任されるように。久家さんは「当時の飯塚ではナンバーワンのバンドだった」と振り返る。

 飯塚で頂点を極めた4人は腕試しとして、若手の登竜門となっていた福岡市のフォーク喫茶「照和」でオーディションを受けることに。照和は後にチューリップや海援隊、井上陽水さんを輩出したことで知られる。結果は一発合格。オーディションの場にいた武田鉄矢さんからも「あなたたち、うまいね」と声をかけられた。これが自信となりコンテストに出場すると業界関係者の目に留まり、東京進出を持ちかけられた。ただ、メンバーで話し合い、4人で音楽を続けるために飯塚でアマチュアとして活動する道を選んだ。

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 大学卒業後は、それぞれの仕事があり、出演は年に1回程度にセーブ。それでも、97年に出演した中年バンドが腕を競う「熱血!オヤジバトル」(NHK福岡放送局)では高評価をもらった。再びバンド活動に熱が入り、単独コンサートを開くなどしていたが、2007年、メインボーカルの周三さんががんで他界。「4人いなければCandyの音楽はできない。これで終わりだ」と活動は自然消滅した。

 音楽から遠ざかっていた3人に転機が訪れたのは13年。行きつけの音楽バーで、移転祝いに歌ってほしいとマスターから依頼された。当日、30人ほどの前で久しぶりに披露した歌は「がっかりするほどの出来だった」(久家さん)が、人に喜んでもらえるうれしさを思い出した。その後、市中心部のフリーマーケットでの演奏を打診され「このままではCandyの名が廃る。本気でやろう」と活動を再開。以降、会社のパーティーや同窓会、他バンドと共催のコンサートなど、年に5回程度ステージで歌う日々を送る。

 結成50年を迎えた今年は、4月に記念コンサートを開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で1年延期に。現在は、練習再開の時期を探っている。

 「きれいにリズムや声が合った瞬間は気持ちよく、それを聞いたお客さんが喜ぶ姿を見られるのはうれしい。これがやみつきになっているから50年続けてこられたんでしょうね」と久家さん。学生時代から変わらない音楽への情熱を胸に、これからもハーモニーを響かせる。

(長美咲)

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