「一生、車椅子生活になる」と宣告…回復目指し栽培したヒマワリ大輪

西日本新聞 大分・日田玖珠版 笠原 和香子

地元園児を招待し笑顔

 大分県日田市清岸寺町の羽野等さん(57)の畑に、今年も1メートルを超えるヒマワリが大輪を咲かせた。その数は約100本。重い障害からの回復を目指す羽野さんがリハビリの一環で育てた。今月、地元の園児を畑に招待した。羽野さんは「いろんな人の笑顔を見ることが何より楽しいばい」と、はしゃぐ園児と同じようにはじけるような笑顔を見せた。

 羽野さんは2011年1月、脳出血で倒れ、左半身にまひが残った。言いたいことが言葉にできず、視界の左側が認識できなくなった。医師から「症状はとても重い。一生車椅子生活になる」と宣告された。他の病気も重なり、8カ月間入院。日常生活では人の助けが必要になった。退院後に通った介護施設でも「改善は難しい」と言われたが回復を信じ、リハビリとして家事や体幹トレーニングなどを続けた。

 13年には、同じ悩みを持つ仲間と励まし合いながら回復を目指す、患者と家族の会「日楽灯(ひらくと)会」、16年には障害の体験を伝えるNPO法人「学びあい」を設立した。リハビリと活動が力となり、今では足の装具やつえ無しで歩け、車も運転できるまで回復した。「体に不自由があっても仲間がいたら乗り越えられる。心が動けば体も動くよ」

 3年前から畑仕事を始め、昨年「元気が出る花だから」とヒマワリを植えた。大輪が太陽に向かって咲き誇り、畑の一角を黄色に染めた。

 今年は市内の高齢者施設や小学校などに一部をプレゼント。今月17、24の両日には、新型コロナウイルスの影響で外出を控えることが多かった地元の園児計約40人を畑に招待した。自分たちの顔より大きいヒマワリの間を駆け回る園児を見ながら、羽野さんは「笑顔は薬。諦らめず前向きに頑張ってきて良かった」と話した。(笠原和香子)

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