新しい学校生活、戸惑う10代 「いつもマスク」「部活の目標持てず」

西日本新聞 社会面 金沢 皓介 本田 彩子

 新型コロナウイルスの影響で最大3カ月に及んだ休校が終わり、再開した学校生活。子どもたちはどう感じているのか。あなたの特命取材班が全国の10代の通信員(フォロワー)に投げ掛けたところ、休校前と比べて「悪くなった」との回答が「良くなった」の2倍近くに上った。学習の遅れへの懸念や、マスクの着用で会話もおぼつかない不自由さ、目標の見えない部活動など「新しい生活様式」への戸惑いが浮かぶ。

 声を集めたのは今月中旬。回答した54人のうち「悪くなった」と捉えたのは41%、「良くなった」は22%だった。

 「安堵(あんど)感がすごい」(福岡県・高校3年男子)、「友達と会え、勉強する気になった」(同県・高校2年女子)など前向きに捉える声もあるが、感染対策に神経をとがらせる学校の風景は以前とは大きく違う。

 高校3年男子が通う北九州市の工業高校では、段ボールの枠に透明のビニールを張り付けた特製の間仕切りを机に設置。毎時限、授業途中に鳴る「換気チャイム」とともに全員で窓を開け、一日の行動履歴の提出も求められる。それでも昼休みは生徒同士で集まり、教室は「密」の状態。「いろいろ対策をしているけれど、本当に意味があるのだろうか」と懐疑的だ。

 福岡県の中学2年女子は「いつもマスクを着け、何を言っているか分からず、クラスメートの顔も覚えにくい」と漏らした。

 同県久留米市の高校では、体育の授業は接触を制限し、サッカーはリフティングとパス練習だけ。他の授業も原則発表は許されず、英語の音読は自宅でする。3年男子は「できれば普通に授業を受けたい」。

 一方、始業時間を午前10時に繰り下げた福岡市の私立高では、教室の机の間隔が狭く、マスクを着けずに会話する人も多いという。2年男子は「いつ集団感染が起きてもおかしくない。もっと対策をしっかりしてほしい」と訴える。

 休校による遅れを取り戻そうと、時間割はぎっちりだ。福岡県の進学校に通う高校3年女子は、毎朝6時すぎに家を出て朝と放課後の課外を含め、1日9こまの授業を受ける日々。「進度が速く、授業中に眠気を感じることが増えました」

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 部活動も日常は取り戻せていない。ラグビー部に所属する横浜市の高校2年男子は休校の間、テレビ会議で顧問の教師と試合映像を見ながらルールの確認をしてきた。学校が再開されても部活動はできないまま。「接触の多いスポーツでいつから再開できるか分からない。ボールの消毒などをする予定だが、感染への恐怖はある」と打ち明ける。

 吹奏楽部に所属する福岡市の高校3年女子はコンクールが中止に。「全国大会に行くと決めて入学したのに」と肩を落とす。部活動は再開されたが合奏はできず、パート別の音合わせをする程度。演奏の機会が減ったため、動画投稿サイトに投稿し、見てもらう機会をつくっているという。

 茨城県の中学3年男子は将棋部に所属。他の部活動は再開されても、石や駒を使う囲碁部や将棋部は不特定多数の人が触れるのが理由からか再開は難しい。「駒を一つずつ消毒するのも大変で、消毒液も足りないので仕方ない」と話した。

 大学や高等専門学校などでは、対面の授業が再開されていないところもある。

 今春、大学に入った東京都の男性は、同級生に直接会ったことがない。大学構内に入るのは許可が必要でサークルも活動停止。「同級生より教授が身近な存在です」と苦笑した。 (金沢皓介、本田彩子)

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