不登校は対象外?授業ライブ配信、自治体で割れる対応…背景は

西日本新聞 一面 本田 彩子

 新型コロナウイルスへの感染不安を理由に、登校できない小中学生を対象とした授業のライブ配信を巡り、実施する自治体の対応が分かれている。熊本市は不登校や長期入院など、コロナ以外の理由で登校していない児童生徒も対象に含むが、福岡市は対象外。背景にはタブレットの配備など、十分に条件が整わない段階で施策をどう進めるかの違いがある。「一律」や「均等」を大切にしてきた教育行政の在り方が問われている。

 福岡市は今月から、基礎疾患があるなど感染不安を理由に登校を控える子ども約180人を対象に、インターネットを使った授業のライブ配信を開始した。パソコンやタブレット端末を教卓に置いて教諭や黒板を映し、子どもは自宅で生の授業を見たり、発言したりする。福岡市教育委員会によると、15日時点で小学校56校62人が利用(中学校は未集計)した。

 その対象には、市内に約3千人いる不登校や病気療養などで長期欠席する子どもは含まれていない。

 市教委学校指導課は、通信環境が整っていない家庭に貸し出せる端末が約400しかない現状を挙げ「現段階で始めれば希望しても利用できない家庭が出てくる。不登校の子どもの状況はさまざまで、十分な配慮をした上で目的とニーズを合わせる必要もある」と説明。不登校の子どもに対するオンライン授業は別途、検討するという。

 大阪府の寝屋川市も15日から授業のライブ配信を始めたが、対象はコロナを理由に登校を控える約20人に限定している。

 一方、熊本市は不登校も対象に含める。貸与できる端末は児童生徒3人に1台の割合で十分ではないが、市教委は8日、授業のライブ配信について「実施できるところから工夫して行う」と各学校に通知。教師や子どもがノートや板書を撮影し、学校に来られない子どもに送信するなどの具体的な工夫例も示した。

 同市では休校中、各家庭で端末を準備してもらうなどして、市内全小中学校でオンライン授業を実施済み。その際、不登校の子どもから「オンラインなら参加できた」という声が上がったという。

 同市教委指導課は「授業の配信もあくまで希望を聞いた上での実施。不登校を対象から外すという議論にはならなかった」と話した。 (本田彩子)

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