新中学校建設計画、市長が教委案凍結 福津市 24年開校予定ずれ込む

 福岡県福津市の新中学校の建設問題が揺れている。市教育委員会は当初、2024年度の開校を目指し、市南部の竹尾緑地に小中一貫校を建設する計画を庁議決定していたが、原崎智仁市長が方針を凍結し、計画が白紙に戻った状態となっている。当初の開校予定が大幅にずれ込むほか、市長の教育行政への不当な介入だとして、議会の一部には反発の声も上がっている。

 人口増が続く福津市では、児童数の増加で南部の福間南小や福間小で昼休みに運動場使用の制約が生じるなどの問題が発生。児童生徒数のピークは、25年度に福間南小が1682人、28年度に福間小が1850人、31年度に福間中が1811人に達すると予想され、3校とも適正規模校の倍以上の数となる。

 このため市教委は昨年度、国道3号沿いでイオンモール福津に隣接する市有地の竹尾緑地と、市中心部の手光(てびか)地区を新中学校の候補地とする2案を検討。小学校区の再編を伴わない竹尾緑地に新中学校を新設する案を取りまとめた。事業費は約54億円を見込んだ。

 新設案は、昨年12月16日の定例庁議で原崎市長も出席し決定。市教委は今年1月に各小中学校PTAを対象に計6回の説明会を開催した。

 ところが、今年2月3日の庁議で、原崎市長が「竹尾緑地は土地の形状が豪雨などの災害時、安全性に問題がある」などとして、竹尾案を一時凍結するよう方針を転換。手光案を再度検討するよう指示した。

 背景にあるのは、市内唯一の照葉樹林である竹尾緑地で盛んな保護活動だ。竹尾案が明らかになると、一部市民の間では早くも反対運動が起こり、来年3月に任期満了を迎え、就任1期目の原崎市長はその声に配慮しているとみられる。

 市教委は「このままでは開校が決定的に遅れる」として、6月定例会の補正予算案に、福間中校区に新設校を建設するための予算を計上するよう、柴田幸尚教育長と4人の教育委員の連名で異例の申し出書を提出した。

 これに対し、原崎市長は補正予算案に建設予算を盛り込まず、代わりに「小中学校大規模解消にかかわる市民意向調査費」20万円を計上。原崎市長は「合併し16年が経過し、校区によるコミュニティーづくりは新たな段階に来ている。新型コロナウイルスの影響で経済や人口増がどう変化するのかの見極めも必要だ」と話す。

 6月定例会の一般質問でもこの問題が取り上げられ、議員からは「市民意向調査の実施時期」や「新中学校建設のめど」を明らかにするよう、質問が相次いだ。これに対し、原崎市長は調査の実施時期については「早急に実施したい」と述べるにとどめ、新中学校についても「教育委員会としっかりと協議したい」と明言を避けた。

 福間小PTA会長の経験がある男性は「児童数の増加で最も疲弊しているのは先生たち。教育の質を保つためにも、早急に結論を出してほしい」と望んでいる。 (床波昌雄、今井知可子)

福岡県の天気予報

PR

PR