「山笠ドクター」事故と対策をオンライン講演 手当てや見回り活動紹介

西日本新聞 ふくおか都市圏版 手嶋 秀剛

 博多祇園山笠の「追い山」の桟敷席がある櫛田神社(福岡市博多区)で、観客や舁(か)き手の救護を担当している「山笠ドクター」の内田泰彦医師(63)=福岡市早良区=が、日本整形外科学会学術総会で「博多祇園山笠における事故と対策」と題し、オンラインで講演した。主要な部分をネットで公開した内田さんは「山笠に出る人、見る人にぜひ視聴してほしい」と話す。

 講演は山笠ドクターを紹介した過去のテレビ番組などで構成。追い山当日、内田さんが桟敷席から舁き手の事故に目を光らせ、熱中症で救護所に運ばれた観客たちの手当てをする姿を映し出している。櫛田神社近くで見物客と舁き手が接触しそうな危険箇所を救急隊員と見回る場面もある。

 内田さんは30年余り前から舁き山笠の西流(ながれ)に参加しており、1995年から始めた山笠ドクターはボランティア。追い山と追い山ならしの日に神社内の救護所に看護師らと詰めている。

 「山舁き(山笠参加者)には子どもからお年寄りまで、それぞれ役割がある。山舁きの医師である私の役割は、救護所を指揮することです」と内田さん。白衣の上から、西流・綱場町の当番法被を羽織った姿に山笠ドクターの誇りが漂う。

 北京五輪や世界水泳で日本代表チームのドクターを務め、福岡ソフトバンクホークスのチームドクターでもある内田さん。「追い山に向けて徐々に体を慣らしていく山笠行事の日程は、スポーツ医学の理論にかなっている」と分析し、専門書で解説もしている。

 内田さんは内科医で、専門外の整形外科学会に招かれて講演することは「異例であり、とても光栄。山笠ならば台上がりです」と笑顔で話す。祭りの安全を守る医師の立場から、コロナ禍で延期された山笠行事の来夏開催については「参加する人、見物する人みんなが安心安全でなければならない。ワクチンや特効薬の開発が急がれます」と強調していた。講演は内田病院のホームページから視聴できる。 (手嶋秀剛)

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