お手製マスク売れたらサービス カレー店や美容室で好評 福岡市

西日本新聞 ふくおか版 今井 知可子

 手作り布マスクをなじみの店で販売し、売り上げはサービスで受け取る-そんなユニークな活動を福岡市のカレー店が考案し、ゆるやかに賛同が広がっている。使い捨てマスクが店頭になかったことから始まった活動だが、出回るようになった今でも吸水性の良さやおしゃれ感から布マスクを好む客も多い。新型コロナ予防のための新しい生活様式を、少しでも楽しもう-そんな思いもある。

 新型コロナの感染拡大に伴い飲食店の営業自粛が進んでいた3月末。福岡市東区名島で「スパイスカレーせんげんや」を経営する重松恵美さん(46)は、来店客がすてきな手作り布マスクを着けているのを見た。マスク不足が深刻な折でもあり、「お店で売りませんか」と声を掛けると「手芸のプロじゃないから、お金はもらえない」という。「じゃあ売れたら、その分のカレー券をあげます」と提案。物々交換のような楽しい試みはSNS上で広がり、最多時は約20人が彩り豊かな布マスクを並べ、テークアウト客が次々に買って行った。「使い捨てマスクが医療現場などに優先的に行き渡るよう、布マスクの輪を広げようという思いに共感してもらえた」と重松さん。

 常連客の田中瑞穂さん(41)も共感した一人。「パート先を“コロナ解雇”されてしまい、空いた時間をマスク作りに向けた」。北九州市に住む母、有持美津子さん(70)が刺しゅうやワッペン付けを担当し、協業で手作りした。カレー券をもらえることも励みになる。

 「この仕組みは面白い」と田中さんは、行きつけの美容室「ヘアーデザインAuBE」(福岡市中央区赤坂)の高津和典さん(52)に話した。同店にも手作りマスクを置かせてもらい、売り上げはカットやトリートメントなどサービスで受け取る。「仕事をしている女性客が多いので、白のレース柄など『浮かないけどおしゃれ』な布マスクがよく売れる」と高津さん。マスクを着けると目元しか見えないため、最近は「前髪を短めにして」と注文する客が増えているという。

 北九州市のフランス料理店も手作りマスクを置いてくれた。母娘でこれまでに400枚以上縫った田中さんは「売れていると聞くと、なじみの店に少しでも貢献できたみたいでうれしい。服に合わせて色や柄を選ぶなど、おしゃれも楽しんでもらえたら」と話している。 (今井知可子)

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