中国、香港安全法成立 一国二制度崩壊も 即日公布し施行

西日本新聞 一面 川原田 健雄

 【北京・川原田健雄】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は30日、中国による香港の統制強化を目的とした「香港国家安全維持法」を全会一致で可決、成立させた。香港政府が同日公布し、施行した。香港は高度な自治や司法の独立を認められた「一国二制度」が崩壊しかねない危機に直面した。

 中国は1997年に香港が英国から返還された後も50年間、一国二制度を維持すると国際社会に約束。香港では言論や集会の自由が認められてきたが、今後は中国本土と同様に体制批判の言動が罪に問われる可能性がある。中国による香港への直接介入に道を開く同法成立に米英などが反発を強めるのは必至だ。

 中国国営通信新華社が報じた国家安全法の全文によると、国家分裂や政権転覆、テロ活動、外国勢力と結託して国家の安全に危害を加える行為を処罰対象と規定。国家分裂や政権転覆などには最高で無期懲役を科すとした。

 中国政府が香港に出先機関「国家安全維持公署」を新設し、香港当局を監督・指導するほか、「特定の状況」で直接取り締まることも可能になる。

 法成立を受け、香港では民主派や独立志向の団体が相次ぎ解散を表明するなど中国への抗議活動が萎縮し始めている。

 ポンペオ米国務長官は29日、中国が香港の「高度な自治」を侵害しているとして、先週発動した中国共産党当局者らのビザ(査証)制限に続き、香港への重要防衛技術の輸出を制限すると発表した。

 これに対し、中国外務省の趙立堅副報道局長は30日の記者会見で、「誤った行いには必要な対抗措置を取る」と述べて報復を示唆した。

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