年内は「おわび行脚」郵政社長、かんぽ不正で調査対象拡大を表明

西日本新聞 社会面 宮崎 拓朗

 「コンプライアンスの意識に欠ける中で営業してきた」-。日本郵政の増田寛也社長は30日の記者会見で、処分者が約2400人に上ったかんぽ生命保険の不正販売問題に危機感をあらわにした。信頼回復に向け、今年は積極的な保険営業を控え、顧客への「おわび行脚」を続ける考えを表明。被害回復を徹底するため、不正の調査対象を拡大することも明らかにした。

 昨年7月以降自粛している保険営業を再開する条件については、顧客の利益回復▽不正に関与した局員の処分▽不正を発生させない態勢整備-など5点を挙げた上で、「第三者の意見を踏まえて判断することが重要だ」と述べた。

 さらに、「営業再開と言っても、以前のような積極的な営業に戻るのは難しい。今年いっぱい、来年に入っても、お客さまにおわびをしつつ契約内容を丁寧に1件ずつ確認し、信頼回復に向けた活動に徹しなければならない」と強調した。

 郵政グループによる不正販売の重点調査は、昨年8月から実施している保険料を二重払いさせるなどした「特定事案」はほぼ終了。今年2月に始めた追加調査も顧客への聞き取りがおおむね終わり、区切りが付いた形だ。

 ただ、重点調査の対象から漏れるものの、不正が疑われる契約は多数残る。西日本新聞はこれまでに、(1)高齢者が子や孫の死亡時に保険金を受け取る(2)保険料を全額払い終えている契約を解約して新たな保険に乗り換えた-契約で不正が疑われると指摘。増田氏は、(1)に該当する終身保険と(2)の全契約について、新たに調査対象に加え、契約内容が顧客の意向に沿っているか確認すると明言した。

 顧客に毎年郵送する「ご契約内容のお知らせ」に、解約した契約も明記し、契約状況を確認しやすいように改善する考えも示した。

 新型コロナウイルスの影響で収入が半減した個人事業主らを支援する政府の「持続化給付金」を巡り、コロナと無関係なのに日本郵便とかんぽ生命の社員約120人が申請した問題にも言及。「コンプライアンスやモラルについてグループの姿勢が問われると思っており、厳正に対処していく」と述べた。 (宮崎拓朗)

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