靴下+バニラ=チョコ? におい調和の仕組み、九大などが解明

西日本新聞 社会面 山下 真

鼻の神経で「相乗」「抑制」反応

 九州大医学研究院の今井猛教授(神経科学)らの研究グループは、焼き魚の臭みがレモンで消えるなど複数の異なるにおいを混ぜた時に感じられる「においの調和」が生じる仕組みを解明したと発表した。調和は脳中枢で生じると考えられていたが、鼻の奥にある嗅(きゅう)神経細胞ににおいを強めたり、抑えたりする調整作用があることをマウス実験で突き止めたという。30日(現地時間)、米国科学誌の電子版に掲載された。

 グループによると、においは空気中を漂う化学物質(におい分子)に、嗅神経細胞にあるセンサーが反応して脳に伝わる。人間にはセンサーが約400種類あり、複数のにおいが混ざる場合、それぞれへの反応が足し合わさって認識されると考えられてきた。

 ただ、実際は足し算だけでは説明できないケースもあった。例えば、靴下の悪臭のもとになる「イソ吉草酸」と、バニラの香りの分子「バニリン」を同時に嗅ぐと、チョコレートのようなにおいに感じる。

 グループはこうした点に着目し、マウスの嗅神経細胞の反応を高感度顕微鏡で調べた。その結果、複数のにおい分子が混合すると、特定のにおいを強める「相乗効果」や、逆に臭みを抑える「拮抗(きっこう)作用」が起きていることが判明。靴下とバニラのケースは、相乗効果と拮抗作用の両方が影響した可能性があるという。

 研究成果は香水やアロマオイル、消臭剤への活用が期待される。グループの稲垣成矩・同大研究員(神経科学)は「香水は調香師が経験や勘に基づいて香料を調合している。におい分子がセンサーにどう作用するかを調べれば、より合理的に調合できる可能性がある」と話した。 (山下真)

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