売れ残りビールを消毒液に 「ほのかな香り楽しんで」飲食店に配布

西日本新聞 北九州版 岩佐 遼介

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、売り上げが大幅に落ち込んでいる地ビールメーカー「門司港レトロビール」(北九州市門司区)が、売れ残ったビールで消毒液を作り、今月から無償で門司港レトロ地区の観光施設や飲食店などに提供する。消毒液はほのかにビールの香りが楽しめるといい、同社は「少しでもレトロ地区に人出が戻ってきてほしい」としている。

 同社は1998年創業。同地区でレストランも経営するなど、ビールの出荷量は年々増加。2019年は10万リットルを製造した。同年末には、数百万円を投じて製造能力を年15万リットルに増強した。

 しかし今春、新型コロナの感染拡大に伴う飲食店の休業やイベント中止が続発。風味を保つために賞味期限を通常よりも短く設定していることもあり、冬から仕込んできたビールの多くが売れ残り、例年月1万リットルある出荷量は約85%減少した。

 売れ残ったビールは通常であれば廃棄するが、同社は消毒液に加工して活用することに。蒸留機を備える無法松酒造(小倉南区)の協力で、20リットルのたる81本分のビールを蒸留してアルコール分を65%以上に高め、約100リットルの消毒液を製造した。肌荒れ防止のため、保湿効果のあるグリセリンを加え、500ミリリットルのボトル約200本が完成した。

 同社によると、「家飲み」需要は増えているものの、卸先の多い同地区では観光客がまばらな状態が続いている。峯松幸之助醸造部長(44)は「ここまでの事態は創業以来初めてのこと。ビールで作った消毒液がちょっとした話題になれば」と話している。 (岩佐遼介)

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