石破氏「ポスト安倍」へ存在感 世論や党内支持に「手応え」

西日本新聞 総合面 湯之前 八州

 安倍晋三首相と政治的に対極に位置し、「ポスト安倍」を目指す自民党の石破茂元幹事長の存在感が増している。もともと高かった世論の人気は内閣支持率の下落に反比例してさらに上昇。弱点だった党内の支持も拡大の兆しが見え始めた。総裁選の前倒しや早期解散の可能性もささやかれる中、石破氏の動向に注目が集まっている。

 「任に堪えないなどと、無責任のことが言える立場にはない。そのための努力も常に己を鼓舞しながら、叱咤(しった)しながら、やらなきゃいかんと自分に言い聞かせている」

 石破氏は2日、共同通信加盟社論説研究会で講演し、独特の言い回しで次期総裁選の出馬に強い意欲を示した。

 世論調査の数字は好調だ。共同通信が6月20、21日に行った全国電話世論調査で「次の首相にふさわしい人」は石破氏が23・6%で首位。安倍首相は2位の14・2%で、5月上旬の調査から逆転した。石破氏と並んでポスト安倍と目される岸田文雄政調会長は、3・3%に沈んでいる。

 調査方法が異なり単純比較できないが、安倍内閣の支持率は36・7%で2012年の第2次安倍政権の発足以降、加計(かけ)学園問題への批判が高まった17年7月の35・8%に次ぐ低さ。他の調査もおおむね同様の傾向で、内閣支持率が低迷し、石破氏が支持を集める構図となっている。

 こうした国民の人気を追い風に、石破氏の自民党内での立ち位置も変化が生じている。二階俊博幹事長は6月8日、石破氏が率いる石破派が9月に開く政治資金パーティーの講師を初めて引き受け、「高みを目指してほしい期待の星の一人だ」と石破氏を評価。安倍政権を支えた実力者が、次期総裁選に向け石破氏と連携を模索しているとの臆測を呼んだ。

 他派閥の議員によると、政権に対する歯に衣(きぬ)着せぬ対決姿勢があだとなり、これまでは、石破氏や石破派のメンバーと食事をするだけで上層部に目を付けられるのではないかと気にする雰囲気が党内にあった。「二階さんの動きを機に、石破氏を避ける空気がなくなりつつある」と明かす。

 石破派メンバーも、石破氏が敗れた18年の前回総裁選の前よりも「党内で手応えを感じる」(中堅議員)と語る。メンバーは積極的に他派閥と会食を繰り返し、石破氏への支持を呼び掛けているという。

 首相は党総裁としては現在連続3期目。党の決まりは連続4選を認めておらず、規則変更がなければ、任期の来年9月末までに退陣する。「次の総裁選では、安倍氏サイドから冷遇される心配がなくなる。国民的人気の高い石破さんが自分の選挙で応援に入ることも期待し、支持してくれる議員は増える」。石破派幹部は手応えの背景を分析し、議員の支持拡大を期待した。 (湯之前八州)

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