上空ルポ、濁流の爪痕生々しく  屋根で救助待つ人  家、道は茶褐色

西日本新聞 帖地 洸平

 「熊本の球磨川が氾濫している」。4日早朝、そんな一報を受けて本社ヘリに乗り込み、熊本県南部上空を飛んだ。どんよりとした曇り空の下、球磨川からあふれた濁流に街がのみ込まれていた。あちこちで車両が水没し、屋根の上には救助を待つ人の姿が。里山の清流として名高い川が一変、猛威を振るった。

 福岡を離陸して1時間ほど。上空300メートル、熊本県八代市を過ぎて芦北町に差し掛かったときだ。潮の香りに交じって焼け焦げたような異臭が機内に入り込んだ。八代海沿岸の建物から黒煙が上がっていた。原因は分からないが、建物周辺には浸水したような跡があった。

 芦北町の中心部は近くの川からあふれた濁流で一面茶褐色に。土砂崩れで山の斜面がえぐられ、民家の近くでぼうぜんと立ち尽くす人の姿が確認できた。

 東に約15キロ離れた山間部の同県球磨村。急流に運ばれた泥と流木が、すさまじい勢いで小さな橋に流れ込んで通行不能に。川岸に集まった民家の多くが泥水に漬かっていた。

 さらに上流の人吉市上空に到着すると、言葉を失った。街全体が泥水にのみ込まれ、川と道路の境目も分からない。海上保安庁のヘリが上空を慌ただしく旋回し、民家の屋根に取り残された住民らの捜索が続いた。救出に向かうゴムボートがゆっくりと進むと、泥の水面に静かな波が立っていた。街はひっそりとし、不安に包まれているように見えた。(帖地洸平)

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