【動画あり】線状降水帯が熊本に次々 専門家「温暖化影響、警戒を」

西日本新聞 社会面 御厨 尚陽

 4日未明から昼前にかけて、熊本県を中心に記録的な大雨をもたらしたのは、積乱雲が帯状に固まる「線状降水帯」が原因とみられる。3年前には九州豪雨を引き起こしており、専門家は「地球温暖化の影響で発生しやすくなっている」と警戒を呼び掛けている。

 線状降水帯は積乱雲が次々と増殖して帯状に連なる現象。通常1時間で衰弱する積乱雲が連続発生し、集積することで局地的な豪雨となる。幅20~50キロ、長さ50~200キロにわたり梅雨期の九州で発生しやすい。

 今回の大雨は熊本県南部付近に集中して降っており、同県天草市では午前3時45分までの1時間で98・0ミリ、同県球磨村では午前4時51分までの1時間で83・5ミリの雨量を記録し、観測史上最大となった。

 気象庁によると、太平洋高気圧の勢力に変化がなかったため、九州を横断する形で延びた梅雨前線が停滞。そこに南西の東シナ海から継続的に暖かく湿った空気が流れ込んだため、積乱雲が集まりやすくなり、4日午前2時ごろから鹿児島県付近で線状降水帯が発生したとみられる。線状降水帯は午前4時ごろに熊本県付近に北上し、その後は西から東へゆっくりと移動したため、天草市や球磨村など緯度が近い地域を積乱雲の固まりが何度も通過し、大雨になったという。

 線状降水帯は2017年の九州豪雨をはじめ、15年の関東・東北豪雨、12年の九州北部豪雨を引き起こし、甚大な被害をもたらした。福岡大の守田治客員教授(気象学)は「昔からある現象だが、地球温暖化による海水温の上昇や大気中に含まれる水蒸気量の増加によって近年は発生しやすくなっており、雨の勢いも激しくなっている」と指摘する。

 実際に気象庁の統計では全国の観測所1300地点で1時間雨量80ミリ以上の猛烈な雨を記録した回数は、1976~85年は年間平均14回だったが、2010~19年は24回に増加した。

 線状降水帯については各機関で研究が進められているが、発生時刻や場所を予測できる段階には至っていない。特に降水量の把握が難しく、線状降水帯の中で複雑に増殖する積乱雲一つ一つの動きを分析する必要があり、気象庁が使用する降雨予測シミュレーションの精度を格段に上げる必要がある。

 一方、雨雲の動き自体は気象庁のホームページなどで現状把握できる。守田客員教授は「小まめにチェックして、雨雲が帯状に連なるときは警戒する必要がある」と注意を促している。 (御厨尚陽)

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