「今なら力になれる」朝倉の復興目指す若者たち 九州豪雨3年

「暮らしの土台をつくる」

 九州豪雨で甚大な被害を受けた朝倉市での災害ボランティア活動が縁となり、住民と市外出身の若者たちが、地域課題の解決に取り組む一般社団法人「Camp(キャンプ)」を立ち上げた。復旧活動を続ける中で芽生えた地域への愛着と、見えてきた少子高齢化や過疎化の現実。豪雨発生から5日で3年。メンバーたちは「被災地は原状に戻す復旧期から、これからの暮らしの土台をつくる大事な時期に入る。復興の力になりたい」と意気込む。

 設立したのは、朝倉市のボランティアグループ「杷木ベース」元代表で、地元住民の望月文さん(41)▽グループの一員だった平見康弘さん(24)=和歌山県新宮市出身▽多田隈宏美さん(26)=福岡市出身▽重松良輔さん(24)=大刀洗町出身-の4人。

 豪雨発生後から、住民と一緒に被災家屋の片付けや農地にたまった泥だしなどに取り組む中、農家の担い手不足、耕作放棄地や空き家の増加、コミュニティーの希薄化など、地域がさまざまな課題を抱えていることを知ったという。

 現在、県内の大学院で建築を学ぶ平見さんは中学生時代の2011年に紀伊半島豪雨を経験。祖父は自宅を川の氾濫で失い、集落を離れざるを得なくなったという。「あの時は何もできなかったけど、今なら何か力になれると思った」

 多田隈さんは復旧活動に従事する中で今までとは違うやりがいを感じ、仕事を辞めて杷木ベースの運営を手伝い始め、重松さんもサラリーマンから転身し、朝倉市で新規就農した。

 ところが、活動のよりどころだった「杷木ベース」が解散することになったため、「Camp」を今春、設立した。今後、空き家を改修して農産物加工の拠点に活用したり、人手が足りない農家と農業に興味のある人をマッチングしたりと、地域課題に応じて「建築」「不動産」「農業」を組み合わた解決を目指していくという。

 現在、市内の空き家を改修し地域の活動拠点づくりを進めているほか、市民と農家が一緒に手掛ける「ふれあい農園」にも取り組む。

 代表理事を務める平見さんは「広い広い世界の中で、テントを張るならここがいい。そんな思いで『Camp』と名付けた。そういう場所にしたいんです。朝倉でしかできない暮らしというものを探りたい」。被災地の復興へ、若い力がけん引する。 (横山太郎)

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