熊本県南部豪雨で22人死亡 心肺停止17人、不明11人 1000世帯が孤立

西日本新聞 一面

 熊本県南部を中心とした猛烈な雨で県は5日、人吉市と芦北町でそれぞれ9人、津奈木町で1人が死亡したと発表した。これとは別に八代市は3人が死亡したと明らかにし、亡くなった人は計22人となった。17人が心肺停止、11人が行方不明になっており、被害がさらに拡大する懸念がある。道路の寸断などで千世帯近くが孤立している。同県では、梅雨前線の停滞に伴い6日以降も非常に激しい雨が降る見込み。5日夕現在で20万人に避難指示が出ており、気象庁は土砂災害などへの警戒を呼び掛けている。

 芦北町田川地区では、自宅が土砂にのみ込まれて堀口ツギエさん(93)と娘の入江たえ子さん(69)、孫の竜一さん(42)が死亡。同町佐敷地区は全体が冠水し、自宅にいた酒井民子さん(82)が心肺停止で搬送され、その後死亡した。

 県によると、球磨村では水没した渡地区の特別養護老人ホーム「千寿園」の14人を含む16人が心肺停止となっている。千寿園では、この14人のほか、入居者51人全員を4日夜から順次救助し、県内の複数の医療機関に搬送した。

 行方不明者は、球磨村5人▽人吉市3人▽津奈木町2人▽芦北町1人。

 球磨川は上流から下流にわたって11カ所が氾濫。各地で道路の寸断や土砂崩れが発生し、集落の孤立が続いている。西日本新聞の調べでは、少なくとも1市2町4村の51地区で958世帯が孤立。球磨村は道路が不通で、78地区1432世帯の村全体で孤立に近い状態が続いているという。

 県は5日午後5時半現在で、11市町村180地区の約9万世帯(約20万人)に避難指示を出した。県によると、同日午後1時半現在、14市町村が86カ所の避難所を開設し、199世帯1502人が避難。西日本新聞の調べでは八代市や水俣市、芦北町、津奈木町、山江村で少なくとも66世帯の207人が避難している。

 土砂崩れが起きた津奈木町福浜の現場では、民家が流れて高齢女性とその息子が行方不明との情報があり、消防や自衛隊が4日夜から夜通しで捜索作業を続けた。民家は裏山からの大量の土砂に押し流されて移動し、捜索範囲は拡大、難航している。小雨が降る中、5日午前も住民数人が捜索を見守った。

 九州電力によると、5日午後6時現在、県内の約4660戸で停電が続いている。

 政府は5日、非常災害対策本部を設置し、同日夕、官邸で初めての対策会議を開いた。安倍晋三首相は「孤立した住宅からの救助、安否不明者の捜索に夜を徹して全力で当たってほしい」と指示。各省庁横断の「被災者生活・業(なり  わい)再建支援チーム」を発足させた。

    ◇

 今回の豪雨で亡くなり、5日までに身元が判明した方々は次の通り。

 【芦北町】酒井民子さん(82)、川田武人さん(72)、川田節子さん(69)、堀口ツギエさん(93)、入江たえ子さん(69)、入江竜一さん(42)

 【津奈木町】丸橋勇さん(85)

 【人吉市】後村多佳志さん(62)、西隆男さん(84)、井上三郎さん(81)、湯本秀子さん(61)、平田千恵美さん(57)

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