鉄馬車を「屋台ギャラリー」に リヤカー改造、地元作家に発表の場を

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 福岡県宮若市龍徳の鉄工芸家、石橋鉄心さん(75)が昔ながらのリヤカーを改造し、作品発表の場として提案する屋台風の鉄馬車を制作した。自身が運営する「鉄の美術館」敷地内に設置。新型コロナウイルス感染症の影響で発表の場を失った、直鞍地域など各地のハンドメード作家らに利用を呼び掛けている。1会期1週間で無料利用できる。

 名付けて「屋台ギャラリー」。古物市で購入したリヤカーを改造して自転車をつないだものと、2011年に制作した鉄馬車の台車を利用したものの二つがあり、約1カ月半をかけて作り上げた。

 「若い頃、直方駅前には屋台が並び、人のにぎわいがあった。その屋台のイメージで制作した」と石橋さん。コロナ禍で、主に公共施設を会場に予定していた自身や、活動を共にするステンドグラス作家有吉ゆかりさん(72)の展示会が相次いで中止となり、新作発表の場が失われている。

 同様の境遇に置かれた作家に対し、石橋さんは「飾り付けも楽しめるよう、構造を工夫した。初めての発表の機会を探りながらも踏み切れない人もいると思う。ここをステップにしてもいい。活動している地域はどこでも利用は無料。敷地内で一緒ににぎわいをつくれれば」と呼び掛ける。

 父新三郎さんが直方市で営んでいた馬車製作所で溶接技術を取得し、日展や日工展で入選を重ねた。2004年までに全都道府県の57会場で個展を開き、07年に「鉄の美術館」を開設。鞍手竜徳高前の県道福岡直方線沿いにあり、古物のコレクションを収めた「昭和レトロ館」を併設する。

 石橋さんは「全国を回って、多くの作家の作品を見てきた。ここでまたいろんな作品を見せてもらうことで、創造力や構想力を高めていける私自身のメリットもある」と話す。同美術館=0949(24)1117。 (安部裕視)

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