「経験則は通用しない」空振り覚悟で早めの避難を

西日本新聞 社会面 長谷川 彰

 過去に経験したことのない豪雨をもたらす梅雨前線が九州に居座って南北に行き来している。もはや、浸水想定区域や土砂災害警戒区域に住んでいる人は、雨の降り方や川の増水の様子を見て、避難するかどうか判断していては遅い。そう割り切って、空振り覚悟で早めの行動が不可欠だ。

 大混乱のさなかにある熊本南部、昨夏洪水に襲われた佐賀県、九州豪雨から3年の節目を迎えた福岡南部に限らず、どの地域でも同等の注意が必要だ。近年の大雨でも近くの小川は氾濫しなかった、裏山が崩れることはなかった、そんな経験則は通用しない状況だ。

 最近の特徴は、急激に雨脚が強まる点だ。気象庁や報道機関は今や大雨が予想される場合、「厳重な警戒を」「命を守る行動を」と呼び掛けている。いまだに「大げさな」と受け止める向きもあるだろうが、雨が降り始める前に区域外に移動するのが最善だ。

 高齢者や障害者、小さな子ども、ペットと一緒に暮らすなど避難先に移動しづらい人は、なおさら。離れて暮らす家族、親戚、知人は意識して「早めに」と声を掛け、事前移動の手助けも考えてほしい。

 遅きに失したことを承知の上で、危機意識を改め、自身と大切な人の命を守ろうと訴えたい。 (特別編集委員・長谷川彰)

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