【動画あり】 「首の辺りまで水」孤立の学校、懸命の救助

西日本新聞

 断続的に降り続く大雨は、九州各地で浸水被害や土砂崩れをもたらした。福岡県大牟田市では、避難所となっている小学校の周辺が冠水し、6日夕から孤立。児童30人や避難した住民など約130人が停電で真っ暗な教室などで一夜を明かし、自衛隊が7日朝から次々と救出した。大分県日田市では筑後川が氾濫した。

 「近所の女性をおんぶして首の辺りまで漬かりながら進んだ。極めて危険な状態だった」。6日午後9時半ごろ、消防団員と協力しながら大牟田市立みなと小にたどりついた近くの山下亮さん(40)は、当時の状況を語った。

 山下さんによると、学校は全館で停電し、1階の教室は机が浮いた状態。全員が2、3階に避難した。パンやおにぎりも一緒に運んだ。「足りたのかどうか分からないが、混乱しているような状況ではなかった」

 校内には7日朝時点で22人の児童が取り残され、保護者たちの多くは数百メートル離れた周辺道路から救出を待った。小5の長女、小1の長男が通うPTA会長の柿原真さん(39)は午前6時ごろから歩いて学校に近づこうとしたが、腰の上まで水があったため断念した。「子どもの声をまだ聞けておらず、早く会いたい」と焦燥感を募らせた。

 午前8時ごろ、自衛隊員が引くボートで救助された5年生、荒木悠斗君(10)は「真っ暗だったけど怖くはなかった」と気丈に話した。一緒に残った教諭らに励まされながら、夜は多目的室に作られた段ボールベッドに寝て、おにぎりを1個食べただけだったという。救出現場で悠斗君を出迎えた母智恵さん(41)は「ほっとしました。元気そうで良かった」と喜んだ。

 学校近くの井上正士さん(63)は、孫の赤ちゃんを含む家族6人で、床上浸水した家屋の2階で一晩を過ごした。午前5時ごろになってようやく消防隊のボートで救出された。「尋常じゃない雨の降り方だった。夕方から浸水が始まり逃げる暇もなかった」と振り返った。

 氾濫した筑後川沿いにある大分県日田市北友田の商業施設などには、川の水が敷地内に流入。認定こども園も浸水し、遊具が傾き、流木が流れ込んだ。近くに住む女性(80)は「茶色の水があふれて一気に一帯が水浸しになった。ものすごい勢いで怖かった」と話した。

 長崎県佐世保市では、使われていない店舗の裏側の斜面が高さ約10メートル、幅約30メートルにわたって崩落し、店舗が全壊した。大村市でも裏山が崩れて民家1棟に土砂が流れ込んだ。住民は避難済みで無事だった。佐賀県太良町では、裏山が崩れて土砂が民家に流入し、住民の80代夫婦が軽傷を負った。北九州市八幡東区では、住宅沿いのコンクリート製とみられる塀が崩れた。

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