孤立続く球磨川沿い集落 避難も支援も線路たどって

西日本新聞 社会面 綾部 庸介 壇 知里

 記録的な豪雨に見舞われた熊本県南部では多くの集落で孤立状態が続く。10人の死亡が確認された芦北町でも球磨川沿いの道路が崩落、冠水して複数の集落が孤立している。そのうちの一つ、白石地区へ支援物資を届けた陸上自衛隊はJR肥薩線の線路をたどったという。6、7の両日、線路を約1・5キロ歩いて白石地区を取材した。

 町の中心部から車で行くことができるのは東へ約14キロ走った同町天月まで。高齢女性が行方不明になっている現場だ。緩やかな崖を登ると線路があった。木や竹が散乱していたものの、何とか歩くことができた。

 途中、線路を歩く男性と出会った。両親に会いに行くという。「やっと電話が通じて無事が確認できた。早く会いたい」。向かうのは徒歩で約1時間半かかる箙瀬(えびらせ)地区。「大丈夫ですよ」と、実家へ急いだ。

 1人暮らしの高齢女性を迎えにきた家族ともすれ違った。高齢女性はつえをつき、ゆっくりと線路を歩いていた。

 約30分で白石地区に到着した。集落の民家は1階部分が散乱した家財道具や泥の塊で埋まっている。横転した車もあり、集落ごと水浸しになったようだった。

命運分けた「3メートル」

 「家屋のかさ上げがなかったら助からなかったかもしれない」。自宅から土砂をかき出していた山下和喜さん(73)はこう話した。山下さんによると、白石地区では1980年代に球磨川が氾濫。国の治水対策で2001年ごろ、家屋を約3メートルかさ上げした。そのおかげで、家屋が水没することを免れ、住民が高台に避難できたという。

 鎌畑良一さん(57)によると、いったん2階に逃げ、身の危険を感じて高台に避難した人もいたという。「命を救ったのはあの3メートルだった」と振り返った。

 県によると7日午後現在、球磨村の全域と1市1町2村の46集落は車両で入ることができない。歩いてもたどり着くことが困難な集落は10あるという。

(綾部庸介、壇知里)

熊本総局が移転しました

熊本総局 移転先地図

西日本新聞熊本総局が移転しました。新しい総局は、熊本市中央区の熊本桜町バスターミナルに近い坪井川沿いです。電話、FAX番号も変更となりました。

▼移転先
住所 〒860―0805 熊本市中央区桜町2番17号第2甲斐田ビル9階
電話 096(323)1851
FAX 096(323)1853

熊本県の天気予報

PR

熊本 アクセスランキング

PR

注目のテーマ