笹(ささ)の葉の下で揺れる短冊に願い事をもう一つ書き加えたい…

西日本新聞 オピニオン面

 笹(ささ)の葉の下で揺れる短冊に願い事をもう一つ書き加えたい。<コロナ禍が収まりますように>の隣に<もう降らないで>と

▼九州南部に「かつて経験のない」激しい雨が降ったのは先週末。最上川、富士川と並ぶ「日本三大急流」の一つ、球磨川が荒れ狂った。濁流は家や田畑を押し流し、多くの命を奪った

▼容赦のない荒梅雨は矛先を変え、九州北部にも猛烈な雨が。福岡、佐賀、長崎の3県に大雨特別警報が発表された。各地で過去最大の雨量を記録。福岡県大牟田市などで市街が大規模に冠水し、孤立した人々が助けを求めた

▼七夕のきのう、坂東太郎(利根川)、四国三郎(吉野川)とともに「日本三大暴れ川」と恐れられた筑紫次郎(筑後川)も牙をむいた。大分県内で氾濫して大きな被害を出し、流域の田園地帯を泥の海に変えた

▼きょうも大雨が心配される。雨がいったんやんでも水害や土砂災害への警戒は怠れない。自分と家族を守るため、一人一人が災害情報に注意して迅速に避難してほしい。過酷な状況の中で救助や捜索を続けている警察や消防、自衛隊の関係者にも改めて感謝したい

▼3年前に九州豪雨、2年前は西日本豪雨。七夕の頃は毎年豪雨に見舞われるようになった。<荒梅雨のその荒星が祭らるゝ>(相生垣瓜人)。人知を超える災害は天に祈るしかないが、荒梅雨はもはや新常態だと腹をくくって備えに人知を尽くさなければ。

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