「これからどうすれば」杖立温泉の旅館20軒浸水 杖立川が氾濫

西日本新聞 熊本版 佐藤 倫之 和田 剛

 6日から続いた記録的豪雨で、筑後川の源流にある熊本県小国町の杖立温泉街でも杖立川が氾濫し、旅館約20軒が床上浸水などの被害を受けた。川からあふれた水は一度引いたが、7日夜の雨で再び増水して被害が拡大した。自主防災組織の呼び掛けで住民は避難して無事だったが、地域に深い傷を残した。

 杖立温泉街は6日深夜の豪雨で、杖立川左岸にある旅館数軒が床上浸水。翌7日に水位は下がったが、同日深夜に再び豪雨となり浸水した。ある旅館の女性(33)は「午後11時ごろから急激に川の水位が上がり、慌てて家族で2階に避難した」。山々は保水力を失い、より高い位置まで急激に浸水したという。

 住民の避難には、30年ほど前に結成された自主防災組織が機能した。集落を5地区に分け、班長と副班長を決め、住民を誘導し安否を確認した。動けない人は自宅2階などへ垂直避難し、多くの人はより安全な右岸の旧小学校に逃げて無事だった。幹線道路の国道212号が寸断され、地域は一時孤立状態に陥ったが、住民同士で励まし合って二晩過ごしたという。

 大規模な斜面崩落で、施設の一部が壊れた旅館も。「葉隠館」を経営する権藤芳春さん(69)は8日朝から、流木や泥に覆われた1階の後片付けに追われていた。先代経営者の時代には、作家の火野葦平も宿泊した老舗宿。新型コロナウイルスによる移動自粛が全面解除され、7月から営業を本格再開する矢先の水害に「住民の命が守られたことが何よりだが、これからどうしていけばいいか」と言葉少なに作業に追われた。 (佐藤倫之)

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