「ここまでひどいとは」家具も店も泥だらけ 氾濫の荒尾・関川流域

西日本新聞 熊本版 宮上 良二

 熊本県北部で降り続いた大雨で6日夕に氾濫した荒尾市と南関町の関川流域では、ようやく晴れ間が広がった8日、床上浸水などの被害に遭った住民たちが、泥だらけになった家具や店の道具などの片付けに追われた。護岸の草木がなぎ倒され、泥のにおいが立ちこめる荒尾市の流域を歩いた。

 「覚悟はしていたけど、ここまでひどいとは」。7日朝、経営する美容院のドアを2日ぶりに開けた古沢敏子さん(68)は目の前の光景が信じられなかった。器具や設備がすべて泥水に漬かり、冷蔵庫や洗濯機がひっくり返っていた。壁には床から1メートル以上の高さまで水が上がった痕跡があった。

 37年前に開店し、その7年後にも関川の氾濫で浸水したが、その時は50センチぐらいの高さだったという。「器具は全部捨てるしかない。そろえてまたやり直すのは年齢的にも厳しい」。駆けつけた親戚4人が片付けをする横で唇をかんだ。

 関川は南関町から荒尾市を通り、福岡県大牟田市で諏訪川と名前を変えて有明海に注ぐ2級河川。熊本県域を管理する県玉名地域振興局工務課によると、1962年と85年の2回、氾濫を起こし、拡幅などの改良工事を継続している。しかし、川沿いを歩くと、土手が崩れたり、コンクリートの護岸が損壊したりした場所が点々と出現する。

 「今回の大雨の激しさが分かるでしょ」。大牟田市との県境に架かる萩尾橋のたもとに積もった長さ約50メートル、幅7~8メートルの土砂を、近くの女性(72)が指さした。「3日前には無かった。一晩でこれだけたまったんですよ」

 今回の氾濫について「川の水位が急激に上がった」「川や水路からあふれた水が一気に増えた」と証言する住民が多い。

 自宅が床上浸水した会社員藤井繁さん(45)は、6日午後6時すぎに道路が冠水するのを見たが、85年のはんらんの経験を基に「家までは来ないだろう」と判断。だが、その1時間後には家の中に水が入り始め、畳が浮き上がり、2階に避難した。軒先の車も水没。「しばらくは会社も休んで、片付けをするしかない」と疲労をにじませた。

 同じく床上浸水した西崎喜代美さん(82)は、急激に増える水を見て午後7時ごろ、夫の国広さん(83)と2人で約600メートル離れた避難所まで、おなかまで水に漬かりながら歩いた。自宅は平屋で逃げ場はない。西崎さんは「命があっただけでも良かった。でももっと早く避難しておけば良かった」と振り返った。 (宮上良二)

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