引かぬ水「先が見えない」…住民困惑 久留米で大規模冠水

西日本新聞 筑後版 片岡 寛 糸山 信 丹村 智子

 停滞する梅雨前線の影響で記録的な大雨に見舞われた福岡県筑後地区では8日、雨はいったん上がったが、久留米市城島町の山ノ井川流域で広範囲の冠水が発生し、多くの住民が避難所に身を寄せた。前日から冠水していた同市東合川の国道210号付近では、水が引くのを待って、事業所の従業員らが片付けに追われていた。一方、八女市では河川の護岸が崩れるなどの被害も明らかになった。

 避難所となった城島校区コミュニティセンターと、隣接の城島保健福祉センターでは計200人を超える住民が一夜を明かし、8日正午時点でも188人が身を寄せた。どちらも新型コロナウイルスの感染防止のため、アルコール消毒や定期的な換気をして、家族単位で間隔を空けて休んだ。

 同市城島町城島の平田久仁博さん(71)は「自宅近くまで戻ってみたが、まだ腰の上まで水が残っていて、家の中を確認できなかった。今晩も避難所で過ごすしかない」と話した。2012年の九州北部豪雨でも床上浸水を経験したが「当時は3~4時間で水が引き、1カ月で元の生活に戻れた。今回はまだ見通しが立たないし、8年前と体力も違う」と困惑していた。

 一方、多くの事業所が集まる同市東合川。18年7月の西日本豪雨でも浸水した「ルリ子美容室」では、従業員6人が総出で店内を清掃していた。経営する合原ルリ子さん(73)は「2日前の夕方から店に水が入ってきた。片付けと消毒で2~3日はかかりそう。新型コロナで減っていたお客さんが、ようやく戻り始めたばかりなのに…」とため息をついた。

 市によると、8日午後1時現在の大雨被害は道路冠水99カ所、河川損壊など17カ所。床下・床上浸水は数百棟に及ぶという。

排水ポンプ「効果なし」

 八女市内では土砂崩れや道路の路肩崩壊などの被害が広がった。同市矢部支所によると、矢部川の護岸が数十メートルにわたって崩れ、川の水が田んぼに流れ込んだという。矢部川の護岸は、同市津江と柳島でもそれぞれ数十メートル崩落。県の八女県土整備事務所は被害箇所の詳しい状況について「調査中」としている。

 同市立花町北山では25戸が床上浸水した。矢部川の支流3本が合流する地点で水害が多いため、今年の梅雨入り前に排水ポンプが設置されたが「効果がなかった」と住民らは肩を落とした。区長の古賀晃さん(69)は「秋雨の時季まで心配が続く」と表情を曇らせた。 (片岡寛、糸山信、丹村智子)

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