「客激減に駄目押し」コロナ禍に連日濁流…温泉街落胆 日田・天瀬町

 大分県日田市天瀬町の天ケ瀬温泉街は7日夜から8日未明にかけて、再び玖珠川の濁流に襲われ、開湯1300年といわれる歴史ある温泉街に流木などが流れ込んだ。ようやく水が引いた8日、住民は疲れた様子で撤去作業などに追われた。

 川には7日未明からの豪雨で流された新天瀬橋が痛々しい姿で横たわる。道路はえぐられ、流木とともに横転した車もあった。店の商品がほとんど流れてしまったという土産店の矢野妙美さんは「まさか2日も続けてこんなことが起こるなんて。昨日も親戚が一緒に片付けてくれたのに…」と肩を落とす。

 田代知子さん(59)も夫婦で営む和菓子店に2日続けて濁流が流れ込んだ。菓子を作り包装する機械は全て水をかぶり使えなくなった。田代さんは「もうくたくた。再建できるだろうか」と土砂がたまった店内をぼうぜんと見つめた。

 天ケ瀬温泉旅館組合では、加盟する13軒のうち8軒ほどが被災した。100年近く続く旅館「日田屋」は館内が浸水しガラスが一部損壊。館主佐藤勝通さん(74)は「最近の災害はひどい。新型コロナウイルスで客は激減していたが駄目押しだ」と嘆く。阿部信明組合長(60)も経営する旅館1階が浸水。巨大な岩で旅館の一部も壊れた。「掃除して済む状況ではなく壊滅的。心が折れる。被災をきっかけに閉じる施設も出てきはしないか」と懸念する。

 旅館のおかみ4人でつくる「あまがせ女将(おかみ)の会」の高瀬純子会長(72)は「やっとこれからという時に…。お客さんが今後来てくれるかは心配だが、災害に負けず立ち向かいたい」と前を向いていた。 (鬼塚淳乃介、笠原和香子)

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