慌てずゆっくり支払い“スローレジ” 九州初の開設 「助かるわー」喜びの声

西日本新聞 北九州版 石黒 雅史

九州の商業施設では初

 高齢者や障害者が慌てずゆっくり支払いできる「スローレジ」を、福岡県行橋市の「ゆめタウン南行橋店」が8日に開設した。1階食品売り場の6台のうち1台を時間限定でスローレジに指定。急ぐ人は別の列に回ってもらい、緩いペースの利用者に合わせてレジスタッフが対応する。認知症患者のサポート活動などをしているNPO法人たすけ愛京築(行橋市)統括理事の阿部かおりさんによると、九州の商業施設では初めての設置という。

 認知症患者らの買い物を支援する「スローショッピング」は欧州から広がり、日本では岩手県滝沢市のスーパーで昨年夏に始まったのが先駆けという。買い物をボランティアが手伝い、支払いはスローレジ。取り組みを知った阿部さんらが南行橋店に協力を依頼し店側が応じた。

 野口勝功副店長によると、同店の買い物客の約4割は60代以上という。混雑時にはレジに長い列ができ、女性スタッフは「動きの遅い高齢者の後ろの列から舌打ちが聞こえたことも。かわいそうで」と表情を曇らせる。スローレジで心掛けるのは「ゆっくり話す、相手の話をしっかり聞く、(遅くても)大丈夫ですよと声を掛けること」という。

 8日にデイサービススタッフと訪れた市内の長尾勢津子さん(58)は、9年前に脳梗塞を発症し右手足が不自由になった。つえをつきながらの歩行はスローペースで、財布やお金の出し入れにも時間がかかる。「レジに並ぶのは怖い」ので、買い物は必ず家族やヘルパーと一緒だった。だがスローレジなら「自分で並べる。助かるわー」と喜んだ。

 スローレジは毎月第2・4水曜の午後1時~3時限定。長尾さんはこの時間帯を見計らって買い物に来るつもりという。 (石黒雅史)

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