「あの人マスクしてない」“取り締まり”求める児童も…現場の実情

西日本新聞 筑豊版 坂本 公司 長 美咲

教員座談会(下)

 小中学校の教員5人が長期休校明けの学校について語る座談会。終盤は、児童生徒が新型コロナという未知のウイルスをどう受け止めているのかが垣間見える話も出た。出席者は指導への悩みを口にしながらも「学校は子どもがいてこそ」と力を込めた。 (聞き手は坂本公司、長美咲)

 -新型コロナをきっかけとした、子ども同士の新たなトラブルの種はあるか。

 B マスクを外している子の“取り締まり”を求める子がいる。暑くて外していると思われる子についても「あの人マスクしてない」と報告してくる。ずっと着けるのは私もきつい。だから「さっきはしとったよ、今だけ外してるんやない」と言ってなだめたり、指をさされた子に「もう少ししたら着けりいね」と呼び掛けたり。それが正解かどうか分からないけれど。

 -大人の社会でも見られたような話。それが学校の中にも投影しているように感じる。

 A 中学生は言葉の問題を考えられるので、安易に「コロナ」は使わない。うちの学校ではトラブルの種は出ていない。3年生は「それより受験」という雰囲気。むしろ休校中、きょうだいが多い家庭はけんかが増えたと聞く。「イライラしてた。学校始まって良かった」という子もいた。

 -教員の皆さんもこれまでになくストレスがたまっているのでは。

 D まだみんな気を張っていると思います。今は「学習の遅れを取り戻さなきゃ」と対応している最中。ふと気を緩めたときにガクッとくるかも。

 -コロナは医療、人権、社会などについて学ぶ教材と言えるかもしれない。どのようにコロナを教室で教えているか。

 C 今はなかなかコロナを題材にはできていない。ただ、当初は日本赤十字社が出したガイド「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!」を使い、ウイルスの怖さを教えようとした。

 A うちも使った。

 E あれは分かりやすかった。

 C 落ち着いた時にでも、コロナを巡る人権の話や、医療関係の保護者に現場の話を聞く授業をしたい。

 -給食の提供など、休校期間は学校のありがたみを実感する期間にもなった。

 E ただ、現場を振り回した休校に確かな根拠があったのかという点も、怒りを持って知りたいところ。休校措置という政策は今後検証されるべきだと思う。

 D 現場の教員は何とか授業やらなんやら間に合わせようと頑張る。でもそこには大きな負担があった。

 -今後の教育活動に向けた思いを。

 E やっぱり子どもが学校にいると面白い。

 D ハラハラすることもあるが、校舎を回っていて子どもが勉強する姿を見るのはうれしいです。だから、子どもが楽しいと思える学校をつくっていきたい。

   ◇    ◇

A:50代女性。筑豊地区の中学校の国語科教諭。バスケットボール部担当。

B:20代女性。筑豊地区の小学校で低学年クラスを担任。今春、教員に採用されたばかり。

C:30代男性。筑豊地区の小学校で教務主任を務める。

D:50代女性。筑豊地区の小学校の養護教員。

E:30代女性。筑豊地区の小学校で高学年クラスを担任。

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