大量の流木がひっかかり…

西日本新聞 ふくおか都市圏版 小川 勝也

 大量の流木がひっかかり、舗装がはげた橋を渡る。熊本県南部を襲った豪雨の取材で、人吉市で亡くなった女性の家を目指した。薄暗く人けがない雨のバス停に傘を差した喪服姿の男性を見つけた。女性の親族だった▼「両親を避難させ、愛猫を守ろうと家に戻った。『避難せんば』と言ったのに…」。悼む言葉は激しい雨音にかき消された。「悪口を決して言わない」「頼みごとは快く引き受けてくれた」。他の親族や友人も口々に思い出を語った。ある人が故人の生前の写真を見せてくれた。穏やかな笑顔だった▼4日からの豪雨で九州全域の犠牲者は60人を超えた。その何倍もの後悔や悲しみがある。心からの共感と哀悼は数だけでは抱けない。犠牲者を数としてではなく、伝えたい。人間的感情からそう思う。 (小川勝也)

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