被災地入り自粛のもどかしさ 域外のボランティア関係者

西日本新聞 社会面 長谷川 彰

 九州全域に甚大な被害をもたらした豪雨で、域外のボランティア関係者がもどかしさを募らせている。新型コロナウイルス対策などで、外部からの現地入りは控えざるを得ないからだ。避難所や車中泊でのエコノミークラス症候群予防に役立つ、弾性ストッキングの着用指導に取り組む日本静脈学会の評議員、近藤克洋医師(健和会大手町病院)は「危険な状態に陥る人が出ないか心配だ」と話す。

 同症候群は、同じ姿勢で長時間寝続けると主にふくらはぎの静脈に血栓(血の塊)ができ、肺に達すると死亡することもある。弾性ストッキングは、特殊な編み方で足から心臓への血液の戻りを助ける働きがある。着用にはこつがあり、学会は指導者の養成を進め、災害のたびに人材を派遣してきた。

 ただ、今回の豪雨は勝手が違うという。近藤医師は「コロナ対策に加え、被災地は広範囲で孤立した山間部も多い。大雨予報も続き、外部から容易に対応できない状態」と指摘。報道機関などを通じて「適切な水分補給と、爪先や足首の運動、ふくらはぎのマッサージなどで足の血流を良くするよう呼びかけるしかない」と訴える。

 NPO法人の全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(30団体、東京)は、オンライン会議方式で被災地へのノウハウ提供など遠隔サポートに取り組んでいる。6日から、熊本のボランティア団体が主催するウェブ会議で情報共有を始めた。

 全国ネットの明城徹也事務局長は「現地へ出向いての活動は当面、自重するしかない。地元の要請が出れば、知見やノウハウを持つ団体が即座に動けるよう準備している」と話している。 (長谷川彰)

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