部活再開1カ月 3年生の葛藤 早めの引退考えるけど…

西日本新聞 筑豊版 丸田 みずほ

コロナと部活 吹奏楽部の現場から

 部活が再開して約1カ月がたちました。活動に喜びを感じている部員がいる一方、複雑な思いを抱えている部員もいます。ある一人の声を紹介します。

 私は正直、今でも何のために部活に参加しているのか分かりません。今すぐ引退しようとは考えていませんが、勉強に支障が出ていることもあり、例年より早めに引退してもいいと思っています。

 私は吹奏楽部だったきょうだいにあこがれて入部しました。最初は楽譜も読めずに大変で、楽器の魅力も感じられませんでしたが、学年が上がるにつれ、私が引っ張っていかないといけないと思うようになりました。今では初めて見た楽譜をすぐに演奏できるようになり、自分でも成長を感じられています。演奏することが楽しくなりました。

 これまでは、コンクールは当たり前のことで、その他のことを考える余裕もなく、部活といえばコンクールしかないかのように思っている部分もありました。しかし、ずっと違和感がありました。コンクールに向けた練習はきつく、上位入賞しても他の部員に「楽器は楽しいの?」と聞きたくなるほどだったからです。

 確かにきつい思いをしたことが青春の一ページとなり、それこそが部活の醍醐味(だいごみ)だと思っている部員もいると思います。でも、私自身は、吹奏楽を楽しみたいという思いが一番にあります。新型コロナウイルスが流行し、みんなで演奏する機会がない今、改めてそう感じています。

 今年はコンクールどころか、イベントでの演奏会なども今後の状況次第でどうなるか分かりません。部員と「ここにいる意味あるのかな」と立ち話することもあります。だから、私だけがもう辞めてもいいと感じているとは思いませんが、一人一人の中になぜ部活を続けるのか疑問が残り、方向性が一つにまとまっていないのは確かです。

 1、2年生の時は先輩が引っ張ってくれたけど、3年生になっていきなりこんな状況になり、戸惑っている部分もあると思います。でも今、私たちの下には後輩がいます。辞めてもいいと思う半面、残る後輩のために、基礎力を上げる練習に全力を注がなければいけないとも思っています。

 本当は心の中で、3年生最後の思い出づくりとして何か企画をやりたいと思っています。各部員が1曲ずつ演奏したい曲を提案し、合奏できる状態に戻るまで好きな曲を練習するのはどうでしょう。それは活動のモチベーションにもなると思います。 (丸田みずほ)

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